「サードプレイス」という言葉を耳にする機会がにわかに増えてきました。家庭でも職場でもない、心地よい「第3の場所」。ARIA世代にとって、どんなサードプレイスを持つことが理想的なのでしょうか。サードプレイスを持つことで、人生はどう変わっていくのでしょうか。人生を輝かせるサードプレイスの見つけ方、そして見つけた人の実例を紹介します。

 今はまだサードプレイスと呼べるものはないけれど、自分の世界を広げられるような活動がしてみたいーー。そんな風に考えながら、初めの一歩を踏み出すきっかけを探している人もいるのではないでしょうか。今回は、ARIA世代に関心の高い社会貢献系のサードプレイスであるプロボノをピックアップ。日本でいち早くプロボノを普及させる活動に取り組んできたNPO法人サービスグラント代表理事の嵯峨生馬さんにお話を聞きました。合わせて、サードプレイスとの出合いにつながる注目の団体や施設も紹介します。

非営利団体のニーズと社会人経験をマッチング

 プロボノという言葉、ご存じでしょうか? 「社会的・公共的な目的のために、職業上のスキルや専門知識を活かしたボランティア活動」のことで、「公共善のために」を意味するラテン語「Pro Bono Publico」が語源。サービスグラントでは、自分のスキルを社会貢献に役立てたい人=プロボノワーカーと、支援を必要としている非営利の団体をそれぞれ募り、両者をマッチングさせる事業などを行っています。

―― プロボノワーカーとして登録しているのは、どのような方々でしょうか。

嵯峨生馬さん(以下、敬称略) サービスグラントは活動を始めて15年、法人化して11年がたちますが、これまでに約5500人が登録し、そのうち3800人が実際にプロボノワーカーとして活動しています。男女比はやや男性が多く、以前に比べて40代、50代の方が増えているという印象はあります。年齢ではデータを取っていないのですが、社会人経験11~20年の方が43%、21~30年の方が23%。この辺りにARIA世代の皆さんも入ってくるのではと思います。

―― プロボノは仕事で培った経験や専門的なスキルを生かす活動だそうですが、そう聞くと、「自分には専門性と呼べるスキルはないし、参加したくても難しいかな」と尻込みしてしまう人もいそうです。実際のところはどうなのでしょうか?

サードプレイスとしてのプロボノの魅力とは? 次のページから詳しく紹介します
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