化粧品ビジネス、コスメを仕事にした経営者・社長に『etRouge』編集長・麻生 綾がインタビュー。今回は世代も地域も超えて支持される信頼のブランド、株式会社アルビオンの小林章一代表取締役社長。

モノづくりの面白さに開眼したきっかけは「おしぼりのロールスロイス」

化粧品ビジネスの経営感覚はフランスで学び、培われた。

麻生(以下A)小林さんは3代目。生まれながらに化粧品会社を継ぐことが運命づけられていたわけですよね。

小林さん(以下敬称略)僕ね、やりたくなかったんです。父親に「やらない」って言い切ってましたから。

それはいつ頃の話ですか。

小林大学時代です。化粧品に人生を懸けられる男って、女性が好きでハンサムでよっぽど自分に自信がある人だろう、と思っていたし。

ほかにやりたいことがあった?

小林ベンチャーキャピタリストになりたくて。卒業後は西武百貨店に就職し、最後は堤清二会長の代表室の近くにいたので、M&Aをかなり間近で見たわけです。

まさにイケイケのバブル時代。

小林本当に。何千億円の話が飛び交ってました。やっぱりこの業界は面白そうだな、と思っていたその頃、創業者である祖父に何度も呼び出され、お前が会社を継げ、と言われ。先行投資が莫大な化粧品事業を50歳でゼロからスタートした祖父を尊敬していましたから、それは素直に嬉しかったかな。

最初のご担当が海外ブランドのソニアリキエル。国際事業というのは小林さん向きだったのでは?