今回は、どんなプレイスでもより良き人間関係が築ける、安田式「ムダをそぎ落としたコミュニケーション術」と、人に対し常に「開いておく」ことで得られる奇跡について。さらにサードプレイスに向かいながら、あなたに秘められた「サブパーソナリティー」はどんどん目覚め、わたし以外のすてきな「ワタシ」が何人も誕生する? というお話です。
人から信用されない「肩書のない」時代
僕が能と出合ったのは、高校で国語教師をしていた24歳のときでした。
能の世界に魅了され、入門したのは27歳。
でも30代で、能を数年間辞めていた時期があります。教師も辞めていたから、当時、僕には一切の肩書がなくなりました。
しばらく中国を放浪したあと、友達が立ち上げた会社を手伝うことになるのですが、そのときに実感したのは、肩書がないと人から信用されないということ。
誰に会っても、「で、あなたは何者?」から始まる。
僕のコミュニュケーション能力が、鍛えられたのはこのときです。
友人2人が社長と副社長、そして実務を行う僕の3人で会社を立ち上げたのは、1980年代。ちょうどその頃にはやっていたCI(コーポレート・アイデンティティー)やPI(パーソナル・アイデンティティー)を提案する会社です。その後、友人がCGの会社を立ち上げるときにもお手伝いをします。最初は、誰にも営業哲学やコミュニケーションのテクニックがありませんでした。
信頼されるためには、まずはコミュニケーション。「どうすればコミュニケーションの質が高まるか?」ということを、毎日、渋谷の喫茶店で意見を出し合いトレーニングしました。