離婚や別れがレジリエンスを呼び覚ました

 離婚やパートナーとの別れは女性の人生を大きく変えます。それまでは専業主婦だった人が生きていくために仕事を探し始めたり、これまでできなかった「本当にやりたいこと」にチャレンジするきっかけになったりもするのです。

24歳で商社に入社して数年間働きましたが、女性は出世できないと思い知りました。男女雇用機会均等法よりずっと前のこと。(中略) そのうち心が折れて、結婚して寿退社しました。すぐに子どもが生まれましたが、間もなく離婚。仕事を探すのですが、子どもが小さいから遠くの職場はイヤ、お迎えの時間があるので勤務時間は……と条件をつけていたら本当に仕事がありませんでした。市役所の母子担当に紹介してもらってパートの仕事に就いて、何でもやりました。


神山昌子(弁護士)

61歳で弁護士デビュー 豊富な人生経験がモノを言う


時代的に、女性は早くに結婚して家事と育児に専念するのが「正解」とされ、小さい頃からそうして生きていくのが幸せなんだ、と刷り込まれていました。(中略) 元夫は、歯科医としてはとても優秀で尊敬できる人でしたが、結婚当初から性格や考え方で相いれない部分が多かったこともあり、息子が大学に進学した年に離婚。母親としての役割を果たしたのでは、と思った頃から、フツフツと自分らしさが湧き上がってきて。(中略) 一人暮らしをしていた娘のアパートに転がり込みました。


平野顕子(「松之助」オーナー)

45歳で離婚→留学「強烈な孤独」を味わった後に起業


新卒で勤めた会社を辞めた後、10年以上専業主婦をしていたのですが、42歳のとき離婚。再就職しようとハローワークに行きました。管理栄養士の資格もあるので、選ばなければ何か仕事は見つかるだろうとタカをくくっていましたが、実際は思った以上に厳しくて。募集は年齢不問とありますが、なかなか面接にも進めない。仕事が見つからずに苦労していたとき、ハローワークの担当者から横浜市が主宰する起業塾に参加しないかと勧められたんです。


タニカワ久美子(けんこう総研 代表取締役)

離婚後に奮起!専業主婦から起業 57歳で東大大学院に


前のパートナーが選挙に出るといって別居生活が始まった。それで1人暮らしになったとき、「あれ、おかしいな。楽しい」と(笑)。同年の11月、相手から別れを切り出されて、そのときはすごく悲しかったのですが、3日、1週間とたつとだんだん立ち直っていった。結局、「家族と暮らすのが幸せ」「パートナーといるのが幸せ」と常識を疑ってみたことがなかったんですね。人によって違うとは思いますが、別に強がりでもなく、私にとって「1人って楽しいな」と、そのときはっきり気づきました。


勝間和代(経済評論家)

勝間和代 大失恋で人生初の1人暮らし、見つけた幸せ


(40歳を迎えるタイミングで「跡継ぎができない」という理由で元夫から離婚を突きつけられた。)結婚当初から跡継ぎを望まれていたことは分かっていましたし、もちろん私も子どもをほしいと思っていました。でも、妻として経営を支えてきたことも、女として子を授かろうと頑張ったこともすべて否定された気持ちになって、少し実家に帰ることに。12年間の結婚生活で実家に帰ったのはその時が初めてで、1週間ぐらいで戻るつもりでしたが……。


佐藤千夏(ビジネス・ソリューション・パートナー代表)

40歳で離婚を突きつけられ、単身上京。手探りの再出発