新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、スポーツジムが臨時休業になったり、しばらくは行くのを控えたり、という方もいらっしゃるでしょう。そんなときは、自宅で筋トレできる動画がお薦め! パーソナルトレーナーの岡部友さんの指導に従って5分程度。すきま時間でもいいので毎日続けていくと、体に変化が感じられるはずですよ!

 美しいヒップラインをつくり上げるトレーナーとして、特に若い女性に大人気の岡部友さん。メリハリのあるボディーラインに、つい見とれてしまいます。そんな彼女は「健康や美容のためには、40代、50代の女性こそお尻の筋肉を使うことを意識してほしい」と話します。

 この世代が直面する体のトラブル(腰痛、体形の崩れなど)には、お尻の筋肉を使うことで一気に解決するものが多いのだそう。そのための動画メソッドを日経ARIAでは12本用意しています。12本は「ほぐす編」「鍛える編」の2つで1セット。全部で6セットを強度が比較的低めのものから紹介します。

 注意してほしいのは、毎回、「鍛える編」の前に必ず「ほぐす編」を行うこと。その理由は「日々の生活で凝り固まりやすい部位をほぐしてからでないと、鍛えたい部位を正しく鍛えられないから」(岡部さん)です。

 動画はどれも2~3分なので、ほぐす編と鍛える編を続けて実践しても5分程度。時間帯は朝晩、いつでもかまいませんので、毎日継続することが大切です。「トレーニングは自分と向き合える手段でもあります。日々、多くの時間を会社や家族のために使っている方にこそ、自分のための時間を持ってほしいと思います」(岡部さん)。


1. くしゃみで漏れる、に「ヒップスラスト」

岡部 友 座りっぱなしは、くしゃみで漏れる/ほぐす編

お尻を鍛えるメソッドを始める前に、まずほぐしたい「腸腰筋(ちょうようきん)」。股関節の前側にあって、太ももの骨である大腿骨と背骨をつなぐ筋肉です。腸腰筋はお尻の筋肉の反対側に位置しており、座ってばかりの人はこの筋肉が縮みっぱなし。そのままではお尻の筋肉を鍛えようにもブレーキになってしまい、思うように動けず、効果が得にくいのです。


岡部 友 座りっぱなしは、くしゃみで漏れる/鍛える編

動画で紹介するのは「ヒップスラスト」というエクササイズで、椅子やソファを使って行います。1回ごとにお尻の筋肉がしっかり縮んでいるか、を意識しましょう。専門用語で「マインド・マッスル・コネクション」と言いますが、使うべき筋肉を意識したり、筋肉が縮んでいるのを感じやすい体勢を探ったりしながらエクササイズを行うと、運動効果は高くなるそうです。


2. 腰痛改善にも!「ワイドスクワット」


岡部 友 腰痛は「眠っているお尻」が原因/ほぐす編

今や日本人の国民病ともいえる腰痛。実は、腰痛とお尻の筋肉との関係は思った以上に深いのだそうです。普段あまり使っていないせいで「眠っているお尻」を「使えるお尻」に変えれば、腰痛を改善することができるといいます。本命のお尻の筋肉を鍛える前に、まずは固まってしまった腸腰筋(ちょうようきん)を伸ばして、股関節周りがよく動くようにしましょう。


岡部 友 腰痛改善はスクワットでお尻を意識/鍛える編

動画で紹介するのは「ワイドスクワット」。おなじみの通常のスクワットと見た目は似ていますが、動き方が異なります。足を広めに開いて、お尻を落とすところまでは同じですが、上がる時には、お尻をぐっと後ろに突き出します。こうすることで、太ももの力に頼らずに、お尻の筋肉をしっかり使って動くことができます。


3. ゆるみも改善する「バックランジ」


岡部 友 膣のゆるみを改善するには/ほぐす編

ARIA世代の悩みである、尿漏れや膣のゆるみは、いずれも骨盤底筋群の衰えが原因。骨盤底筋群を鍛えるトレーニングもありますが、お尻を鍛えれば骨盤底筋群はお尻の筋肉と連動するので一緒に鍛えられます。つまり、ヒップメイクをすると、女性としての機能「締まり」も改善できるのです。実際に鍛える前に、まずは太もも裏の筋肉(ハムストリングス)をほぐしましょう。


岡部 友 膣のゆるみを改善するには/鍛える編

いろいろ漏れないように……今からしっかり鍛えておきましょう。動画で紹介するメソッドは「バックランジ」です。直立して両手を胸の前で組み、片足を大きく後ろに引いて腰を落としたら、お尻の力で上がるようにして元の姿勢に戻ります。戻るときに、上半身を前に傾けることもポイントです。終わったあとに、お尻や太もも裏に効いた感じや疲労感が残っていたらOKです。