世界の最先端を体感できる都市、ニューヨーク。この街に1996年から在住し、ビジネス・コンサルタントとして第一線で活躍する渡邊裕子さんの最新リポートをお届けします。

 2020年9月16日、自民党の新たな役員人事が発表されると、菅義偉新総裁を含めた「5役」の並ぶ写真が「(5Gならぬ)5爺(じい)」というコメントとともにSNSで拡散された。全員男性、平均年齢71.4歳。この写真と、フィンランドの連立政権を率いる若い女性党首たちの写真がセットになって出回っているのも見た。2枚の写真を並べると、とても同じ時代とは思えない。

 日本の新閣僚のうち女性は2人(上川陽子法相、橋本聖子五輪相)のみ。比率にすると僅か10%で、G7では最低。しかも前内閣より減っている。報道を見て私が感じたのは、これは事実上「我々は、ダイバーシティ向上に興味はありません」という無言のメッセージではないかということだ。

2019年、34歳でフィンランドの首相に就任したサンナ・マリン氏(右から2人目)。左から順に、教育相、財務相、右は内相(写真:AFP/アフロ)
2019年、34歳でフィンランドの首相に就任したサンナ・マリン氏(右から2人目)。左から順に、教育相、財務相、右は内相(写真:AFP/アフロ)

「男女平等がG7で最も遅れている国」

 列国議会同盟(IPU)とUN Womenによると、世界全体では、閣僚ポストに就く女性の割合は21.3%(2020年1月1日時点)。女性閣僚の割合が50%以上に上る国は14カ国ある。女性が国のリーダーに就いているのは20カ国。

 上記のフィンランドでは2019年、34歳の女性首相が誕生して話題になったが、それだけではない。200人いる国会議員の平均年齢は48歳、46%が女性だ

 英語圏メディアが日本のジェンダー問題を記事にするとき、「男女平等がG7で最も遅れている国」という言い回しを使う。2019年12月に世界経済フォーラムが発表した「ジェンダー・ギャップ指数」では、153カ国のうち日本は121位。これは日本にとって過去最低、G7ではもちろん最低順位、同じ東アジアの中韓両国よりも下回る。特に女性の政治参画のスコアが低い。

 日本の衆院議員の女性比率は10.1%。世界193カ国中164位(内閣府、2019年)だ。1980年代までは、例えば英国やフランスなども、女性議員比率が日本とほとんど差はなかったが、現在の女性議員比率は英国約32%、フランスは約40%。日本だけが取り残されている。