世界の最先端を体感できる都市、ニューヨーク。この街に1996年から在住し、ビジネス・コンサルタントとして第一線で活躍する渡邊裕子さんの最新リポートをお届けします。

 ファッション・ブランドと同様に、コロナ禍で大きな打撃を受けているのがデパートだ。この業界については、業態自体の存続が疑問をもって見られている。ニューヨーク・タイムズは、4月に「デパートの死(The Death of the Department Store)」と題した記事を掲載し、「生き残れるのは非常に少数であろう」と述べている。

JCペニー
チャプター11を申請、2020年夏に154の店舗を閉鎖する。

Macy's
2020年2月に、今後3年間で125軒(これは、同社が持つ店舗の約20%に相当)の店舗を閉鎖し、2000人を解雇すると発表。

Sears
2018年に経営破綻、140の店舗を閉鎖。2019年11月、51の店舗を2020年2月までに閉鎖すると発表。

Nordstrom
2020年5月に、19の店舗を永久的に閉鎖すると発表。ちなみに同社は、ニューヨーク、コロンバス・サークル近くの大型店を最近オープンしたばかり。

Lord&Taylor
2019年1月に5番街の旗艦店を閉店。2020年3月にはすべての経営陣が解雇された。8月2日、チャプター11申請。

Saks Fifth Avenue
ニューヨークで約500人の従業員をレイオフ。

デパートは根本的な変革を迫られている?

 こうして見ると、新型コロナとは別に、デパートという業態自体が根本的な変革を迫られているのではないかとさえ思えてくる。S&P Global Market Intelligenceによれば、他の消費者向け業界に比べても、デパートは今後1年の間に債務不履行になる可能性が非常に高い業界だという。「休日には家族でモールに行き、デパートでショッピングする」という長年にわたって築かれた米国の習慣自体が大きく変わってきているのだ。

2020年、ニューヨークではデパートの閉店が相次いでいる(写真はバーニーズ・ニューヨーク)
2020年、ニューヨークではデパートの閉店が相次いでいる(写真はバーニーズ・ニューヨーク)
2020年、ニューヨークではデパートの閉店が相次いでいる(写真はバーニーズ・ニューヨーク)