総務省統計局の「人口推計」によると、2020年10月1日現在の日本の総人口(概算値)は1億2588万人。2015年の国勢調査からの5年で約121万人も減少しています。少子高齢化が進み、人口減少の一途をたどる日本。それによるひずみは「人手不足」など、私たちの身近なところにも影響を及ぼし始めています。今一体何が起きているのか。人口が減少する日本の未来はどうなってしまうのか。人口減少対策総合研究所理事長 河合雅司さんが解説します。

(1)人手不足がチャンスに?「生涯現役が当然」の時代が到来 ←今回はココ
(2)「待機老人」が今後増える? 家族を待つのは過酷な未来
(3)老後に必要なのは2000万円の貯蓄ではなく○○○○○

ARIA世代の約7割が90歳まで生きる

―― 2019年の出生数は90万人を初めて割り込み、86万5239人でした。2020年はさらに少なくなる見通しとされており、「少子高齢化」の現実をまざまざと思い知らされました。

河合雅司さん(以下、敬称略) 出生数減のスピードが速まってきています。しかも2020年には、日本の女性の過半数が50歳以上となりました。今後、妊娠できる年齢の女性の数がどんどん少なくなっていくわけですから、出生数は減り続ける一方でしょう。

―― 既に女性の二人に一人が50歳以上……。高齢化がここまで進んでいるとは、想像以上でした。

河合 厚生労働省の「65歳の人の生存割合」という資料によれば、2040年時点で65歳の女性の68%が90歳まで、そのうちの20%は100歳まで生きるという予測が立てられています。

厚生労働省「令和2年版厚生労働白書」より
厚生労働省「令和2年版厚生労働白書」より

―― 現在45歳のARIA世代の約7割が90歳までは生存するということなんですね。