総務省統計局の「人口推計」によると、2020年10月1日現在の日本の総人口(概算値)は1億2588万人。2015年の国勢調査からの5年で約121万人も減少しています。少子高齢化が進み、人口減少の一途をたどる日本。それによるひずみは「人手不足」など、私たちの身近なところにも影響を及ぼし始めています。今一体何が起きているのか。人口が減少する日本の未来はどうなってしまうのか。人口減少対策総合研究所理事長 河合雅司さんが解説します。

(1)人手不足がチャンスに?「生涯現役が当然」の時代が到来
(2)「待機老人」が今後増える? 家族を待つのは過酷な未来 ←今回はココ
(3)老後に必要なのは2000万円の貯蓄ではなく○○

結婚しづらくて産みにくい社会

―― 少子化が進んだ一因に、女性の社会進出を挙げる人もいますが、本当なのでしょうか。

河合雅司さん(以下、敬称略) 世界各国のデータを見ると、女性の社会進出と少子化に直接的な関連性はありません。ただ日本の場合、待機児童問題にも見られるように、共働き世帯へのサポートが十分ではないがゆえに晩婚・晩産が進み、少子化を加速させている側面はあるでしょう。一方、経済環境の悪化で結婚したくても経済的自立が図れないという人や、そもそも「結婚をしない」という選択をする人が増え、今後、生涯未婚率は上昇していくと予測されています

30〜34歳男女別の「平成30年間」の未婚率の変化と今後の見通し。20年後には30〜34歳の男性の約52%、女性の約35%は独身だと予測されている。「令和2年版厚生労働白書」を基に編集部で作成
30〜34歳男女別の「平成30年間」の未婚率の変化と今後の見通し。20年後には30〜34歳の男性の約52%、女性の約35%は独身だと予測されている。「令和2年版厚生労働白書」を基に編集部で作成

―― 年功序列型の賃金制度も崩壊しつつあり、個人にとって将来設計が立てにくいですよね。

河合 非正規雇用も増えています。国立社会保障・人口問題研究所が2015年に行った「出生動向基本調査」によると、18〜34歳の独身者の85%以上が「いずれは結婚しようと考えている」と答えています。この中には、結婚できる状況にありながら先延ばしをしている人もいますが、こうした人たちには結婚のタイミングが遅くなるほど、「ダブルケア」のリスクが大きくなるということも知っておいてほしいですね

―― ダブルケアとは、育児と介護が重なってしまうものですね。