超楽天的な性格で、激動の金融界を乗り切ってきた

―― 「経営の中核に入ってみたい」という気持ちはいつごろから?

田代 正直、「絶対に役員になりたい!」という意志はあまり持っていませんでした。ただ、どこで働いたとしても「この人と一緒に働きたいな」と思ってもらえるように成長したいという気持ちは常に持っていました。

―― 「超ジェネラリスト」という自己分析がありましたが、田代さんが自分の強みだと思うポイントは?

田代 超楽天的な性格(笑)! いい意味で鈍感で、なんでもポジティブに受け止められるんです。普通の感覚なら不機嫌や悩みの種になりそうな出来事も、私は気づかずに流せることが多いし、たまにうまくいかないことがあったとしてもすぐに忘れてしまいます。

 この30年、金融業界も激動の時代にありましたし、ハードな局面も経験してきましたが、ここまで前向きにやってこられたのは楽天的な性格がプラスに働いたと感じます。起きてしまったことに対して、根に持ったり、妬んだりとネガティブな感情を持ち続けるのは、そのエネルギーがもったいないですよね。男女問わず、長く働き続けるためのコツだと思います。

 ※下編では役員に就任してからの変化について詳しく聞きます。

取材・文/宮本恵理子 写真/鈴木愛子