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ガラスの天井を越えて

味の素専務・野坂千秋 何のために働くのか悩んだ20代

(上)行き詰まりを感じた30代後半。上司の反対を押してイタリアで経験を積んだ


実務に追われながら培われた経営の視点

―― 上海での社長としての経験では、どんな学びがありましたか?

野坂 人材の採用から報酬決め、建屋の安全性の確認など、毎日毎日目まぐるしくさまざまなことが起こり、新しいテーマも生まれる。小さな経営の経験をさせてもらえた。あの経験が今につながっていると思います。若いときから研究所だけでなく、営業や事業などバリューチェーン(価値の連鎖)を経験したいと思っていました。それらが経営の立場になるとすべて関わってきます。

―― 100人以上いる現地スタッフの名前や評価をすべて覚えていたそうですね。

野坂 研究所の時代から人の名前はフルネームで覚えるクセがついていました。150人くらいの顔と名前は覚えられるといわれていますよね。報酬決めや評価、契約更新などの面談は直接一人ずつ行いました。

―― 経営スキルはそういう経験の中で磨かれたんですね。管理職と経営者ではどういう点が違いますか。

野坂 それまではずっと研究職だったので経営という意味ではそのときの経験が大きかったと思います。管理職はあるポジションを任せられる人ではありますが、そのポジションが存続するかどうかは会社が決めること。経営者になると、いかに持続的に成果を出していくか、貢献していくかという視点が求められます。そこは大きな違いだと思います。その責任はすべて自分が負うという覚悟が必要です。

―― 野坂さんご自身の強みは何だと思いますか。

野坂 あまり思い悩まない、常に前向きに捉えて考えるところだと思います。前向きな姿勢はオーナーシップを持っているということでもあり、協力者が得やすくなります。

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