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ガラスの天井を越えて

味の素専務・野坂千秋 何のために働くのか悩んだ20代

(上)行き詰まりを感じた30代後半。上司の反対を押してイタリアで経験を積んだ


充実した日々の中、30代後半で感じた行き詰まり

野坂 開発チームを回すようになりそれなりに充実していましたが、30代後半で行き詰まりを感じた時期がありました。1つの事象だけではなく、もっと食全体を見てみたいと思い、38歳のとき社内公募に手を挙げ、海外特定技術研修生として半年間イタリアに行きました。

 現地では学校で料理を学ぶとともに、レストランにもインターンで入り、イタリア人シェフの技を学びました。苦労もありましたが、自分で希望したことなので続けられましたし、得るものも多かった。そこで地域の食文化をきちんと理解して商品を提供していくことの大切さに気づきましたね。

―― そのときも上司の勧めなどがあったのですか?

野坂 実はイタリアに行くときは上司に反対されていました。上司からは「もっと研究者として解析力を身に付けてほしい。海外の食文化を知り、料理を学ぶということはあなたへの期待値と違う」と言われたのですが、研究所にはすでに解析力を持つ優秀なメンバーが数多くいた。それは自分の役割ではないと。料理を知っている自分がシェフの持つ材料の目利きや調理のこだわりを学び、おいしさのポイントは何かを研究することが自分の強みだと考えました。

 研究職は専門的な仕事でもあるので、きっかけがないとジョブローテーションの中に入れません。会社が提供してくれないなら自分で機会をつくろうと思いました。その後、上司と話し合い、最終的には行くことになりました。

 管理職になったのはイタリアから帰国したすぐ後です。帰ってきて「匠の技」を科学的に解析することを学位論文にまとめたのは、その上司が「やったからにはきちんとまとめなさい」と言い残していたことだったんです。自分が管理職になってみて、上司の言いたかったことは理解できました。管理職にも、いろいろな接し方があっていいのだというのが学びとしてありました。

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