今や3世代同居は珍しく、介護も「遠距離」や「おひとりさま」など形を変えています。遠距離介護を支援するサービス「わたしの看護師さん」を提供するN.K.Cナーシングコアコーポレーション代表で看護師の神戸貴子さんに、今役立つ介護についての情報を3回にわたって紹介してもらいます。3回目は介護サービスの使い方です。ヘルパーさんに何でもお願いできると思っていませんか? できることとできないこと、整理しておきましょう。

介護サービスにはさまざまな種類がある

 介護は家族だけで頑張るものではありません。介護をサポートする仕組みはたくさんありますので、上手に使ってほしいと思います。

 介護サービスには、介護保険適用サービスと保険外サービスの2種類あります。介護保険適用のサービスとは、要介護・支援状態にある「65歳以上の高齢者」と「40歳から64歳までの特定疾患の患者」が、介護保険料と国・自治体からの財源によって、一定の割合の自己負担で受けられる介護サービスです。自己負担の割合は所得によって1~3割まで変わります。

図は厚生労働省の資料を基に編集部で作成
図は厚生労働省の資料を基に編集部で作成

 介護保険適用サービスは、「要介護」の人のための介護給付サービスと、「要支援」の人のための予防給付サービスに分けられます。

 介護給付サービスには、訪問ヘルパーや、訪問看護など在宅での訪問サービス、デイサービスやデイケアやリハビリなどの通所サービス、ショートステイなど短期入所サービス、地域密着型サービス、さらに、車椅子など介護用品や福祉用具のレンタルや、住宅の改修といったハード面のサービスもあります。

 家のリフォームが必要になった場合も、上限はあるものの介護保険でまかなえます。介護ベッドもレンタルできますし、病状によって必要なものは変わってくるので、慌てて買わないようにしてください。

 介護保険適用サービスは、要介護度に応じて、毎月介護保険でまかなえる金額の上限があります。限度額を超える利用は、100%自己負担です。また、介護用品のレンタルは、介護度によって借りられるものが決まってきます。

 介護保険適用サービスの一覧を次ページに紹介しています。