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今から始める「親」のこと

墓じまいした遺骨を身近に 「手元供養」が広がる理由

ペンダント型の骨つぼ、屋内用のお墓から、お骨をダイヤモンド化、真珠化するサービスまで


自宅での供養といえば仏壇に手を合わせるのが一般的だったが、お骨を自宅に保管する「手元供養」という新しい供養スタイルが登場。じわじわと認知を広げている。一口に手元供養といっても、スタイルは実にさまざま。葬儀・お墓・介護といった終活を取材してきた旦木瑞穂さんがリポートします。

 父に感謝の気持ちを伝えるにはどうしたらいいだろう――。手元供養協会会長の山崎譲二さんは、2002年1月、父のがん告知をきっかけに「最良の供養」について考え始めた。そして、出した答えが「手元供養」だった。山崎さんは2004年4月、故人の遺骨を身近に置き、しのびの対象とする供養方法を手元供養と命名し、翌年6月に同協会を設立した。

 手元供養が日本で広まったきっかけは諸説あるが、山崎さんは2001年9月11日にアメリカで起こった同時多発テロ事件が発端だと言う。当時、大切な人をテロで亡くした遺族が、故人の写真を入れたペンダントをしている姿がニュースで映し出された。日本では、子どもを亡くした母親のグループ「天使ママ」は、その様子を目にし、悲嘆を癒やすグリーフケアツールとしてペンダントを取り入れたのが始まりだと山崎さんは考えている。

「最期まで一緒に」という思いをかなえる

 手元供養協会会長の山崎さんは、手元供養品を製造・販売する「博國屋」の店主でもある。京都の伝統工芸の職人と協力して、遺骨や遺灰をメモリアルプレート、ペンダントなどの加工や、遺骨そのものを収納するオブジェや小型の骨つぼ、お守りなどの製造を手がけている。

 創業当初から人気があるのは、清水焼の納骨オブジェ「地蔵」(焼き付け文字あり。税抜6万6000円)。京都の伝統、清水焼の温かみがある滑らかな手触りと色合い、手で包み込める大きさと程よい重さ。そして何よりも、地蔵の穏やかな表情にこだわったという。遺骨は、付属の正絹製の納骨袋に入れてから強度の高い真ちゅう製のミニ骨つぼに納め、「地蔵」の中に収納できる。ミニ骨つぼは漆塗りされているため、触るほど光沢が増す。また、地蔵の背中には自由にメッセージが入れられる。

清水焼の『黒地蔵』は真ちゅう製のミニ骨つぼを内蔵できる(写真提供:博國屋)
清水焼の『黒地蔵』は真ちゅう製のミニ骨つぼを内蔵できる(写真提供:博國屋)
地蔵と台座をセットにした「想-ひろくにセット-」は写真も飾れる。価格は7万5000円(税抜)から(写真提供:博國屋)
地蔵と台座をセットにした「想-ひろくにセット-」は写真も飾れる。価格は7万5000円(税抜)から(写真提供:博國屋)

 他にも、竹製の納骨お守り「かぐや姫」(税抜4万円)や、木製の納骨ペンダント「小町」(税抜1万2000円)も人気が高い。いずれも天然素材を使用しているため、持ち主が亡くなった際にはひつぎに入れられるのが特徴。「最期まで一緒に」という思いがかなえられるわけだ。

天然の竹を使い、握り締められるサイズにこだわった「かぐや姫」(写真提供:博國屋)
天然の竹を使い、握り締められるサイズにこだわった「かぐや姫」(写真提供:博國屋)
納骨ペンダント「小町」も天然素材を使い、ひつぎに入れられる(写真提供:博國屋)
納骨ペンダント「小町」も天然素材を使い、ひつぎに入れられる(写真提供:博國屋)
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