離れて暮らす親のことが気になるけれど、仕事やコロナ禍で気軽に会いに行くことが難しい今、IT機器を使って実家の様子を見守っているという介護エンジニアの福村浩治さん。前回紹介したネットワークカメラに続き、福村さんが実際に使ってみて利便性が高いと感じているアイテムについて詳しくお話を聞きました。

スマートスピーカーを実家に設置して親とビデオ通話

 前回の記事「コロナ禍で会えない高齢親 ネットワークカメラで見守るは、IT機器を使った実家の遠隔見守りの第一歩として、ネットワークカメラを置くことの有用性を福村さんに聞きました。

 カメラが動きを検知したときにスマホアプリに通知が来るなど、離れた場所からでもいつもと違う様子に気づくことができるのが、ネットワークカメラの大きなメリット。その一方で、相手が我が子とはいえ、24時間いつでも自分の生活をのぞかれている状態に親が難色を示すこともあります。そうしたケースにも対応できる方法として福村さんが勧めるのが、必要なときだけビデオ通話が簡単にできる、スマートスピーカーを使った見守りです。

 スマートスピーカーは音声で操作できるIT機器で、GoogleやAmazon、LINEなど、さまざまな企業が開発しています。例えば「Alexa」という音声サービスを搭載したAmazonのスマートスピーカーであれば、「アレクサ、今日の天気は?」と話しかければ天気予報を読み上げ、「アレクサ、○○の意味は?」と聞けば検索結果を音声で回答するなど、インターネットを経由して日常のさまざまな行動をサポートしてくれます。

 ITに詳しい人、最先端のガジェット好きの人が使うものというイメージがあるかもしれませんが、複雑な操作手順の習得や機器への文字入力が必要ないため、実は高齢者にとってもスマートスピーカーは使いやすいものなのです。

 福村さんがおすすめするスマートスピーカーは、Amazonが販売している「Echo」シリーズの中でも、ディスプレーが付いている「Echo Show」シリーズです。「音声で指示するだけでビデオ通話ができるので、高齢の親もすぐに使い方を覚えられる。顔を見て話しながら様子を確かめるのにぴったりです」(福村さん)。他にも、アラームや簡単な情報検索、音楽や映像の再生、家電の操作、Amazonでの買い物などができ、ネットワークカメラとの連携も可能です。

 次のページでは、親の見守りに使える機能について、詳しく説明します。