コロナ禍で収入が減ったり、今後の減収が不安になったりしている… そんなときこそ、自分のお金の使い方や家計を見直すチャンスです。書籍『ゆるっとお金と暮らしを整える本』では、月刊誌『日経WOMAN』がこれまでの膨大な取材から明らかにした「お金が自然に貯まる人」に共通していることや、今の時代に合った資産形成のメソッドをまとめています。今回は本書から、「口座の使い分け」についてお伝えします。

 お金の管理は、一生続きます。やる気があるときはきちんとできても、忙しくなったら放置……では意味がありません。予算管理や貯蓄の方法は、ラクに続けられることが大切。そのために、できるだけ「仕組み化」しましょう。

 仕組み化のスタートは、口座の整理からです。給料が入った後のお金の流れは、基本的に3つしかありません。「使う」「貯める」「増やす」です。この目的に合わせて口座を整理すると、お金の流れがごちゃごちゃせず、口座だけでお金の管理ができます。

 まず初めに整えたいのは、クレジットカードなどの支出を紐付ける「使う口座」です。お金の出口を絞り、毎月同じ流れでやりくりができるように、仕組み化しましょう。

生活費か? 特別な出費か?「使う口座」を2つに整理

 使う口座は、2つ用意します。「毎月の生活費」用と、「特別出費用」です。口座を分けることで、それぞれの予算の入り口と出口が明確になります。それぞれの口座の出入金明細や、口座と紐付けたクレジットカードの明細を見れば、「何にいくら使ったか」という内訳も分かるので、管理がラク。家計簿代わりにすることも可能です。

1. 使う口座A(毎月の生活費用)

家賃や水道・光熱費など毎月かかる固定費や、生活費に使うクレジットカードの引き落としを、この口座に設定。現金を引き出して使う場合も、すべてこの口座からにします。毎月、1カ月分の予算を入金するようにすれば、残高をチェックするだけで使いすぎていないか確認できます。多少、オーバーする月があることも考えて、常に4万~5万円ほど余裕を持って入れておけば安心です。

2. 使う口座B(特別出費用)

旅行や車検代など、臨時の出費に使う予算を入れます。ボーナスから取り分けるか、毎月の収入から積み立てて入れていきましょう。クレジットカードを複数持っている場合は、生活費用と特別出費用に用途を分けて、特別出費用の引き落としをこの口座に設定すると、管理がラクになります。「急な出費はここから」と覚えておけば、貯蓄を崩すことなく乗り切れ、毎月のやりくりにも影響が出ません。

 お金を引き落としたり、引き出したりする口座が3つ以上あるとお金の移動も大変になり、キャッシュカードやパスワードなどの管理の手間も増えます。「使う」口座の数は2つに絞り、お金の出口を少なくすることが、家計を整えるポイントです。