「ギャラ=作品売り上げの5%」に決めた理由

長坂 2021年はアート作品で8億円ほどの売り上げがありましたけど、僕自身のギャラは作品の売り上げの5%と決めています。この数字を変えるつもりはありません。会社を経営すると経営者の役員報酬も大きなコストですが、僕の場合はゼロ。

「アグボグブロシーで資本主義の『闇』を知ったことで、僕の人生は大きく変わりました」
「アグボグブロシーで資本主義の『闇』を知ったことで、僕の人生は大きく変わりました」

斎藤 5%という数字はどこから?

長坂 少し長くなりますがいいですか。初めてガーナの電子ゴミで作った作品の展覧会で、ある作品に1500万円の値段が付いた。僕はそれまで美人画を書いていたのですが値段は1点20~30万円がいいところ。なぜいきなりゴミの作品にこれほどの高額な値が付けられたか頭が痛くなるほど考えました。その時に突然、アインシュタインの相対性理論がひらめいたんです。

 彼は質量とエネルギーは同等と説いていますが、縦軸を豊かさ、横軸を時間(右は時間の速さ、左は遅延)にするグラフを想定すると、一番右上はアメリカ、その斜め下に日本や中国、欧州がいる。反対の左下にガーナ、最も低いところがアグボグブロシー。これは斎藤さんの言うグローバル・サウスのゾーンです。