人生を見渡す山の頂上からのんびりゆっくり下っている

―― 今のお仕事にはこれまでの経験や、自身の世界観が生かされているのですね。

桐島 勉強でも仕事でも子育てでも何でもよいのですが、自分の役割を自覚して、重い責任を引き受け、がむしゃらに働きまくる20代や30代の人には、失敗を恐れずにチャレンジをする「doer」であってもらいたい。失敗をしたってまだ取り返しがつく歳なんですから。母の口癖を思い出します。「人が獲得する自由の質量は、背負った責任の質量に比例するのよ」と。私も4人の子どもの生命を預かるという重大な責任、そして仕事を通して鍛えられたおかげで、やっと本当の大人になれたと思うし、ようやく本物の自由を知ることができました。

 母に連れられ子どものころから世界中を旅し、心惹かれた各国の工芸や雑貨……。高校生の時に「好き」と心に植えついた芽がどんどんと伸びていき、仕事に結びついて、今では私の人生の大きな幹となっています。55歳になった今、私は人生を見渡す山の頂上からのんびりゆっくり下っています。失敗もしましたから、これからは、ひどい失敗はしなくなるでしょう。散々無駄なこと、やりたくないこともやってきました。でも、これからは、無駄なものはそぎ落とし、自分が好きなように自由に生きていきたいですね。

「これからは、無駄なものはそぎ落とし、自分が好きなように自由に生きていきたいですね」
「これからは、無駄なものはそぎ落とし、自分が好きなように自由に生きていきたいですね」

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取材・文/竹下順子 写真/洞澤佐智子