「doer」になることで扉が開いていく

―― いつか本格的にブランドを立ち上げようと計画していたのですか?

桐島 先のことなど考えず、ただ「好き」というパッションに突き動かされていただけでしたね。海外で買い付けをしたり、販売したり、これまでやったことのないことばかりでしたが、チャレンジ精神は旺盛です。英語で「doer」(実行する人)という言葉がありますが、いろいろ心配して何もしないよりは、「do・実行」することで扉は開いていきます。始めたころは素人でしたし、たまにオープンするだけの店でしたから、それほど大変ではありませんでしたが、次第に人を雇ったり、スタッフが増えたり、店が増えたり。いつの間にかビジネスになっていきました。

―― 現在のような組織になったのは、いつ頃からですか?

桐島 2016年からサザビーリーグの一員になったことで店舗も6店になり、ファッションも含めた本格的なライフスタイルブランドになりました。50代になって、また新しい人生をスタートしたという感じです。毎月の取締役会に出たり、予算について話したり、大きな組織の中で仕事をするということを、また改めて経験させてもらっています。

―― 人を巻き込んだビジネスになると、いろいろと悩みも出てきますね。

桐島 今は自分のやりたいことをやるだけではなく、「商売として成り立つ」ことも考えなくてはなりません。本当に好きなものでも売れないこともあります。私が好きなアンティークや工芸品は日本のお客様にはマニアックすぎたり、高価すぎたりすることも。「お客様に喜ばれるものはどんなものだろう」と自分なりに考え、暮らしの彩りやヒントとなるような商品を意識して「自分の好きなもの」と「喜ばれるもの」のバランスを取りながらディレクションしています。自分の世界観を軸にしながらも、お客様に喜ばれるものを想像しながら工夫して進化してきた感じですね。

「暮らしの彩りやヒントとなるような商品を意識して『自分の好きなもの』と『喜ばれるもの』のバランスを取りながらディレクションしています」
「暮らしの彩りやヒントとなるような商品を意識して『自分の好きなもの』と『喜ばれるもの』のバランスを取りながらディレクションしています」