GAFAに代表されるようなデジタルプラットフォーマーには、利用者が多くなればなるほどユーザーは便利になり企業も有利になる、いわゆるネットワーク外部性が働くため、ナンバーワンの企業が独り勝ちして、その他の企業は、なかなかもうけることができない世界です。

 「投資してもうかるデジタル系企業を探せ」ということで人々は新しい企業を探しますが、アメリカではすでに、有望といわれるデジタル系企業の上場以来の株価は下落しています。今、アメリカで株価が非常に上昇しているのは、例えばビヨンド・ミートという植物由来の人工肉の会社や、ズーム・ビデオ・コミュニケーションズというウェブ会議室サービスとシステムを提供している会社です。

 今のアメリカの動きを見てみると、デジタル系企業の株価がさらに伸びるということは考えられない状況です。そうした企業の伸びは落ち着いて、次に来るのは「IoT」(モノのインターネット)時代と相まって、いい車、いいもの、いい食品といった、意外に堅実なものづくりの分野ではないだろうか、と私は予測します。

 そもそもデジタルプラットフォーマーの役割にしても、ただマッチングさせるだけなので、その前提として、いい「もの」がないと意味がありません。

Key Word「創造的破壊」
イノベーションによって生まれた効率的な方法に伴って起きる激しい新陳代謝を指す。イノベーションは主に企業内部から起きることが重要であり、持続的な経済発展には、常にイノベーションによる創造的破壊が必要になる。経済学者のシュンペーターが提唱した。