テレワークで生産性が下がる仕事、上がる仕事

 テレワークについてはさまざまな調査研究が行われていますが、これまではテレワークを行った人のみを比較した研究が主でした。この研究が画期的なのは、ランダムに学生を分け、タイピングや文字入力といった比較的単純な仕事と、文章を書くといったクリエーティブな仕事をそれぞれテレワークで行って、生産性を比較しているところです。

 結果は、テレワークによって前者は6~10%生産性が落ち込み、後者は11~20%生産性が上がりました。

 推測できる理由としては、単調な仕事は人と競い合うことで生産性が上がり、クリエーティブな仕事は一人で行うことで生産性が上がるということです。これは私たちの経験から納得できることでもあり、今まで何となく感じていたことが、実験によっても明らかになったといえます。こうした研究を踏まえて、テレワーク向けの業務と出勤して行う業務の区分けが、より細かく行われていくことになるかもしれません。

全ての業務がテレワークに向いているわけではない?
全ての業務がテレワークに向いているわけではない?

 「アフターコロナ」に備えてビジネスパーソンがすべきことを考えてみましょう。在宅勤務などで出勤が減っている今、隙間時間を活用して仕事に役立つようなスキルを身に付けるのはもちろんですが、不確実な未来に向けたサステナブル(持続可能)な能力をより磨くために、本当にやりたいことに挑戦してみるチャンスでしょう