新型コロナを機に学びへの関心が高まった2020年。通勤に費やしていた時間を学びに充てられるようになった人や、オンライン学習に目覚めた人もいるでしょう。変化が大きくて先が見通せないVUCA時代の今、ビジネスパーソンにとって大事なのは学び続けることと、その成果をアウトプットし続けること。注目のオンラインスクールや社会人大学院など、学び続けるARIA世代の「今」に迫ります。

 青森県警察本部で29年間勤務した後、定年や早期退職制度の該当年齢になるのを待たずに退職し、大学院生となった大湯琴音(おおゆことね)さん。仕事にやりがいを感じ、業務に必要な知識は積極的に学んでいたが、2016年に1級ファイナンシャル・プランニング技能士の資格を取得して民間の仕事に触れるようになったことと、子育てが一段落したことをきっかけに、これから先の人生を見据えた専門性の高い学習がしたいと思うようになったそうです。

大湯琴音(おおゆことね)オフィス大湯 代表取締役
大湯琴音(おおゆことね)オフィス大湯 代表取締役
1970年、青森県生まれ。青森県警察本部に29年間勤務。在職中に放送大学で心理学などを学んだ後、47歳のとき明治大学専門職大学院グローバル・ビジネス研究科へ入学、MBAを取得。続けて早稲田大学大学院法務研究科(ロースクール)へ入学するも、2020年1月に自主退学。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、キャリアコンサルタントなど、多くの資格を保有

 「青森県警では、交通部や総務、生活相談、自殺・交通事故統計からセクハラ相談員まで、幅広い業務を担当しました。人の心に関わる仕事が多く、交通事故被害者の助けになりたいという思いもあったので、在職中に放送大学教養学部で心理学を学びました。この学びを機に、さらに専門的な知識をつけたいと考え始めたのですが、それにはまず、私に欠けている 『民の感覚』 を養わなければいけない。そう考えて、子育てが一段落したタイミングに合わせて退職し、上京。2017年4月、明治大学専門職大学院グローバル・ビジネス研究科へ入学しました」

 在職したまま放送大学などのオンラインで学ぶ選択肢もあったはず。にもかかわらず退職し、東京で学ぼうと思ったのは、放送大学で感じたあることが理由だったそうです。