新型コロナを機に学びへの関心が高まった2020年。通勤に費やしていた時間を学びに充てられるようになった人や、オンライン学習に目覚めた人もいるでしょう。変化が大きくて先が見通せないVUCA時代の今、ビジネスパーソンにとって大事なのは学び続けることと、その成果をアウトプットし続けること。注目のオンラインスクールや社会人大学院など、学び続けるARIA世代の「今」に迫ります。

 ニューノーマル時代の新しい学びの一つ、オンライン大学。授業も学生間の交流もすべてオンラインで完結する「通わない大学」での学びには、どんな価値があるのでしょうか。100%オンラインで経営学士が取得できる大学として2010年に開学した「ビジネス・ブレークスルー(BBT)大学」。そこで学ぶARIA世代の現役大学生が、実態を忖度(そんたく)なしでリポートします。


 今年4月、BBT大学に入学した中村彩乃と申します。現在40歳。会社員の夫と4歳になる子どもの3人家族です。中国にある日系企業で駐在員として勤務しています。

「マーケティング」「中国語」…学ぶことが好き

 20代の頃はマーケティングやロジカルシンキングなど、仕事に直接役立ちそうなものを中心に通学形式の講座をいくつか受講していました。昼休みにマーケティングの本を読んでいたので、「20代女子らしくない」と先輩に言われたこともあります。30代に入り、夫の中国駐在に同行し、現地で就労するために中国語の勉強を始めました。

 この時、私が選んだのは中国の大学への語学留学。大学には2セメスター(前・後期)通い、中国の教育部が認定する中国語の語学検定試験「HSK」で6級(最高難度)を取得しました。中国で仕事をするようになり、2020年4月からはBBT大学で人生2度目の女子大生となりました。基本的に学ぶことが好きで、学んだことを仕事や人生に生かしたいと思っています。

中国の日系企業で勤務する中村彩乃さん。「20代でマーケティング、30代で中国語の勉強に没頭しました」
中国の日系企業で勤務する中村彩乃さん。「20代でマーケティング、30代で中国語の勉強に没頭しました」

30代後半になり、仕事で太刀打ちできないことが増えた

 中国では、新規事業の立ち上げや、既存事業の担当をして実績を積み上げてきました。そして昨年、再び新規事業に携わったとき、壁にぶつかりました。中国市場の変化のスピードは速く、また今回はITに関する知識が必要で、自分の知識や経験では到底太刀打ちできないと感じたのです。

 どうしたものかと思いあぐねていたときに見つけたのがBBT大学でした。海外在住で、幼児の子育て中ということもあり、最初は大学ではなく、比較的自由が利きそうなオンライン講座を探していました。BBT大学を見つけたときも単科受講制度を利用するつもりでした。ただ、自分の受講したい科目が単科受講制度の対象外だったことや、どうせなら体系的に学びたいと思い、最終的にBBT大学の経営学部ITソリューション学科の1年次入学を目指すことにしました。

中村彩乃さん(40歳)学びの履歴書。1980年(0歳)2月生まれ。2003年(23歳)早稲田大学法学部卒業、超氷河期に就職活動を経験。危機意識から学びへの意識が高まる。2005年(25歳)グロービス・マネジメント・スクールの単科講座を受講。ロジカルシンキング、マーケティング、アカウンティングなど。2011年(31歳)、華東師範大学(中国)に語学留学、中国政府公認の中国語検定であるHSK6級(最高難易度)を取得。2012年(32歳)中国駐在、中国語学習を継続。2018年(38歳)オンラインキャリア講座を受講。2019年(39歳)  マザーズコーチング講座を受講。2020年(40歳)、ビジネス・ブレークスルー(BBT)大学経営学部 ITソリューション学科入学
中村彩乃さんにとって学びとは?人生を豊かにするためのもの。残りの人生を生きていくためのメンテナンス。単位取得を目的に「こなすだけ」の勉強ではなく、時間がかかってもいいから学びそのものを楽しむこと。