新型コロナを機に学びへの関心が高まった2020年。通勤に費やしていた時間を学びに充てられるようになった人や、オンライン学習に目覚めた人もいるでしょう。変化が大きくて先が見通せないVUCA時代の今、ビジネスパーソンにとって大事なのは学び続けることと、その成果をアウトプットし続けること。注目のオンラインスクールや社会人大学院など、学び続けるARIA世代の「今」に迫ります。

 責任ある立場に就いたり社会課題に取り組んだりする女性が増え、仕事を続けながら大学院に通う女性も増加傾向にあります。通学しやすい環境も整ってきました。そこで、失敗しない大学院選びのコツを、多くの社会人大学院生の事例を知るリクルート進学総研の主任研究員・乾喜一郎さんに聞きました。

大学院に通い続けるために確認すべき5つの条件

 「私が大学院の取材を始めた00年代前半頃は、女性の社会人学生に出会うことはまれでしたが、今は当たり前にいらっしゃいます。女性リーダーや管理職が増え、国の政策上のバックアップも手伝って、社会人が働きながら学べる環境の整備が進んだことが理由と考えています」

乾 喜一郎/ リクルート進学総研 主任研究員(社会人領域)
乾 喜一郎/ リクルート進学総研 主任研究員(社会人領域)
1992年東京大学教養学部卒。長年キャリア情報誌の編集・制作に携わり、2006年「ケイコ とマナブムックシリーズ」編集長に。「スタディサプリ社会人大学・大学院」等の編集を通じて取り上げてきた社会人学生は1000人以上。2019年より現職。GCDF-Japanキャリア・カウンセラー、都内女子大学の非常勤講師も兼職。

 とはいえ、仕事を辞めずに大学院で学び続けるのは簡単ではありません。高校卒業時とは全く異なる学校選びが必要だと乾さんは指摘します。

 「18歳で大学を選ぶ際は、偏差値や知名度に影響されやすいですが、社会人が大学院を選ぶ際には、役に立ちません。また、優れた大学院でも、一般的には知られていない場合もあります。大切なのは、自分が興味を持つテーマが学べるかどうか。また、費用面や制度面で、働きながら通える条件がそろっているかです

 数ある大学院から自分に合う学校を選ぶためには、5つの条件をチェックすることが必要です。1つ目は、土・日曜や夜間など、自分の勤務時間外に開講しているかどうか。社会人を対象とする大学院の多くは、土・日曜や夜間のクラスがあります。平日の夜と土日の受講だけで修了できたり、eラーニングが活用できたりする学校もあります。

大学院選びで失敗しないための条件の残り4つは? 次ページから詳しく説明します
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