新型コロナを機に学びへの関心が高まった2020年。通勤に費やしていた時間を学びに充てられるようになった人や、オンライン学習に目覚めた人もいるでしょう。変化が大きくて先が見通せないVUCA時代の今、ビジネスパーソンにとって大事なのは学び続けることと、その成果をアウトプットし続けること。注目のオンラインスクールや社会人大学院など、学び続けるARIA世代の「今」に迫ります。

 40~50代のARIA世代の学びは、20歳前後で私たちが経験した学びとは大きく異なります。筆記試験がゴールではなく、仕事人生では「学び続ける」ことが求められるためです。コロナ禍で学びのスタイルが大きく変化した2020年。これからの大人の学びはどうなるのか、どうすれば学び続けられるのか。リーダー研修などのインストラクターとして約3000人をトレーニングしてきた人材育成コンサルタントで、『一流の学び方』などの著書がある清水久三子さんに聞きました。 

『一流の学び方』の著者で人材育成コンサルタントの清水久三子さんが考える、学び続ける秘訣とは…
『一流の学び方』の著者で人材育成コンサルタントの清水久三子さんが考える、学び続ける秘訣とは…

学び方でビジネスパーソンの人生が決まる

 ビジネスパーソンは、学び方でこれからのキャリアや人生が決まります。その理由は二つあります。一つ目の理由は「人生100年時代」の到来です。長寿命化に伴い「60歳で定年を迎えてリタイア」という人生プランはもはや描けなくなりました。さらにデジタル技術の進歩により、従来の仕事の中にはAIやロボットに置き換えられるものもあります。若いときに学んだスキルだけで、一生食べていくのはほぼ不可能なのです。公認会計士や税理士といった難関資格の保持者も例外ではありません。一つのスキルが長持ちせず、働く環境の変化のサイクルが短期化している今、40歳になっても50歳になっても時代に合わせて学び続けなければ、取り残されてしまうでしょう。

ビジネスパーソンの人生設計の変化。これまでのライフサイクルモデル。学校教育。仕事を覚える(知識・スキルを学ぶ)。覚えた仕事をする。定年・余生。人生100年時代のライフサイクルモデル。仕事の知識・スキルを学ぶ。学んだことを仕事に生かす。

 もう一つの理由は「学びの格差問題」です。ここ数年、インターネットやスマートフォンなどICT(情報通信技術)の進化で、学びの環境は飛躍的に変わりました。2020年、コロナ禍でオンライン学習が一気に普及し、その動きに拍車がかかっています。こうした環境の変化は、多忙なビジネスパーソンにとっては限られた時間で知識やスキルを高めるチャンスといえます。一方で、学ぶ人と学ばない人との格差は、決定的に広がっていきます。

 では、どうやって学び続ければいいのでしょうか。

清水久三子さんに聞いた「学び続ける」秘訣。Q.なぜ、ビジネスパーソンは学び続ける必要がある?スキルの短命化が進んでいるため。資格を取得して一生安泰という時代は終わった。Q.学び続けるためには、どうすればいい?学びをインプットしたら、必ずアウトプットしてフィードバックを得る。その結果、知識を構造化、思考を明文化できる。ニューノーマルで「学び」の形は変わる?オンライン講義のニーズが高まる。アウトプットの場として、SNSやブログサイトの利用が進む。
学び続ける秘訣は、次ページから解説します