―― 読者には管理職の人も多いのですが、女性管理職のニーズは高いですか?

井上 女性で管理職であることは「非常にアドバンテージのあるキャリア」だと強調します。労働ピラミッドで考えると、管理職になれる人数とはおのずと限られていますから、その中で女性であるということは、アドバンテージになります。国が進める女性活躍推進も、女性のキャリアを後押しています。現在「女性管理職比率30%」の数値目標達成に向け、どの企業も良い人材を欲しがっている状況です。

 今、コロナの影響で一時的に採用を控えている企業でも「女性管理職の採用は別」「いい人材がいれば、採れるだけ採っていく」という施策を打ち出しているところも少なくありません。特に、大企業ではそうした傾向が見られますし、今後も続くでしょう。

―― 最後に、2021年の転職市場の見通しについて教えてください。

井上 コロナの収束の兆しがいまだ見えておらず、予測が難しい状況ではあります。しかし、採用そのものが大きく下回ることはないと思っています。恐らく2021年の上期までは現状の模索が続くのではないでしょうか。ただ、早ければ下期には新たな事業方針を打ち出す企業が増えてきて、それに向けた求人も出てくるのではと期待しています。

 次回は、コロナ禍で転職できる人とできない人の特徴について伺います。

取材・文/西尾英子 写真/水野浩志