ワインを飲むのは好きだけど、知識がないのでお店やレストランでワイン選びに困る……。そんな人のために、ワインを飲むのが楽しくなる情報をギュッと濃縮してお届けするワイン講座の第3回。今回は今世界からも注目されている「日本ワイン」について教えてもらいました。

(1)赤、白、ロゼ、泡…オレンジも? ワインを知って楽しむ
(2)愛好家に話題のペット・ナットって? 贈るワインを選ぶ
(3)高品質で注目集まる「日本ワイン」 国産ワインとの違い ←今回はココ

日本産のぶどうを100%使用しているか否か

―― 最近、国産ワインが世界中で注目されていますよね。

大越基裕さん(以下、敬称略) まずは「国産ワイン」と「日本ワイン」の違いからご説明しますね。

―― その2つの言葉は、意味が異なるのですか?

大越 そうなんです。実は「国産ワイン」というのは海外から果汁を輸入して発酵して造ったものも含まれます。一方、「日本ワイン」は日本産のぶどうを100%使用して発酵して造ったものを指します。今、世界で注目を浴びているのは、後者の「日本ワイン」なんですよ。

ワインテイスター・ソムリエの大越基裕さん「今、『日本ワイン』が世界で注目されています」
ワインテイスター・ソムリエの大越基裕さん「今、『日本ワイン』が世界で注目されています」

―― 言葉の使い分けがされているのですね。今世界で注目を浴びているのは、「原料を含めて100%日本で造られたワイン」ということですね。

大越 そうなんです。私は24年間ワインの世界に携わってきましたが、ここ10年で日本ワインは、ものすごくクオリティーが上がっているのを実感しています。日本ワインのブームは、間違いなくきていますよ。

―― どのようなときに、日本ワインのブームを実感されていますか?

大越 世界最大規模のワイン品評会であるIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)というのが、年1回ロンドンで行われており、私も審査員を務めています。世界中の有識者が集い、各国のワインをジャッジして点数をつけていくのですが、ここ数年は、日本ワインも多くエントリーしてきており、賞を取っています。IWCC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ・チャイナ)という、中国で流通しているワインだけの品評会もあるのですが、そこにもエントリーされ始めていますね。海外審査員から日本ワインについての質問をよく受けるようになりました。