リモートワークやマスク着用生活が日常化し、既存のコミュニケーション方法が通用しない場面が増えています。対面でない言葉のやりとりは、的確な言葉を選択し極力コンパクトにまとめて伝える必要があり、マスク着用での会話は、相手の口元が見えず感情も読み取りにくいため、言葉の選び方や使い方、話の間などがこれまで以上に意味を持つようになります。ニューノーマル社会で人を説得する言葉の選び方と使い方を、メンタリストDaiGoさんに語っていただきます。

(1)DaiGo「メンタリズム企画書」で思うまま相手が動く
(2)DaiGo「マインドリーディング」でプレゼン成功
(3)DaiGo「メンタリズム言葉術」で部下の心をつかむ ←今回はココ

話を聞かない人には相手の◯◯がいい情報で興味を引きつける

―― 前回までは、メンタリズムを使った企画書作成術やプレゼン成功術についてお聞きしました。今回は、部下の指導に生かせるメンタリズムを教えてください。まず、何かを教えようとするときに積極的に聞いてもらう、話に興味を持ってもらう方法はありますか?

DaiGoさん(以下、敬称略) 最初に、人の話を聞く人と聞かない人の違いを考えてみましょう。積極的に話を聞く人は、柔軟性が高く好奇心が旺盛で、新しいことに興味を持ち、挑戦します。反対に人の話を聞かない人は、保守的で自分の知っている世界から飛び出そうとしません。「自分は文系科目を勉強してきたから文系の中で生きていこう」という発想や、同じ業界にばかり何度も転職するようなケースです。

―― 例えば、経理の流れをスムーズにするために、経理部の人が他部署での伝票の流れも知る必要が出てきたとして、経理一筋で仕事に自信を持っている部下が「自分は知らなくても数字は管理できる」と言って知ろうとしない、といったケースも当てはまりますか?

DaiGo そうですね。人間は新しいことに恐怖と不安を感じるもので、感じないときは大して新しいことをしていません。人間の脳は、ポジティブなほうへ向き、ネガティブを避けるようにできています。保守的な人に話を聞いてもらいたいなら、相手にとって都合がいい情報を先に話し、それから事実や伝えたいことを話せばいいんです。それには「ギャップ補足法」という技術が役に立ちます。