「一緒に住むようになって、パートナーへのモヤモヤが増えてきた」「子どもが生まれてから夫とギクシャクするようになった」「親の介護のことで夫と険悪になった」……。こんな悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。そんな方にぜひおすすめしたいのが、作家・心理カウンセラーの五百田達成さんが提唱する「パートナーとの関係がうまくいく話し方」。コツを押さえて、パートナーとの関係をより良いものにしていきましょう!

(1)夫やパートナーにもうイライラしない 話し方5つの基本
(2)パートナーとの気詰まりな話題には「◯◯話法」が効果的 ←今回はココ
(3)お互いの愛が冷めない・復活するコミュニケーション術

「あなただって」の応酬は、不毛な争い

編集部(以下、略) 夫婦やパートナーとして人生を一緒に歩むとなると、さまざまな問題にぶつかりますよね。育児や家事の分担から、日々のお金のこと、親の介護など、次から次へと課題が出てきます。ここをうまく乗り越えられずに別離に至るカップルもいるわけですが、重いテーマの問題の話し合いを円滑に進めるために、話し方で気を付けるべき点はあるのでしょうか。

五百田達成さん(以下、五百田) いわゆるそれは「我が家のプロジェクトの危機」に直面したときですよね。そこでまず気を付けたいのは、「あなたがどうするの?」ではなく「ねえ、私たち家族、これからどうしていく?」というスタンスで話を始めることです。

―― なるほど。「私たちの問題」という意識をまずお互いに持つということですね。つい、いつまでも自分と向き合ってくれない相手には「あなたはこの問題をどうするの!」と怒りをぶつけてしまいがちです。

五百田 基本的には、そういった「You話法」はNGです。「なんであなたは片付けないの?」「なんであなたはゲームばかりしているの?」や、はては「あなたって、グズね」などの決めつけは、言ったほうは留飲が下がるかもしれませんが、それを言ったところで相手が変わるわけでもないし、相手は傷つくし、「You話法」が効果的な場面はほぼありません。

 「You話法」を始めると、相手からは「あなただって、ゴミを置きっぱなしじゃないか」などと返ってきがちです。「You話法」の押し付け合いは本当に不毛です。「あなただって」という言葉も使わないようにしましょう。過去の話が掘り起こされたりして、論点がズレてしまいます。