「発達障害」という言葉は知られるようになりましたが、まだそれがどのような障害特性なのか、社会生活上でどのような支障が起こり得るのか、どう対応すればよいのか十分に知られてはいません。もし、一緒に働く部下や同僚が発達障害だったら、どのように対応するのがよいか。その障害特性や対応のコツを、精神保健福祉士の佐藤恵美さんに解説してもらいます。

(1)発達障害の部下には、特性を理解して対応することが大事 ←今回はココ
(2)障害特性に合わせたコミュニケーション術
(3)カギは信頼関係 職場マネジメントのコツ

生まれつきの脳機能の発達の偏りにより社会生活に困難が

 そもそも「発達障害」とは医学的な診断用語ではなく、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)などの障害の総称です。

 生来性の障害、つまり生まれつきのもので、その症状は低年齢のうちに現れ、症状が進行することはありませんし、成人になってから「発達障害になる」ということはありません。

 人間の脳の働きには、記憶する、思考する、判断する、理解する、計算する、学習する、言葉を使う、想像する、などのさまざまな認知機能があります。一人ひとり、この機能に違いがあり、それが個性をつくり出しているとも言えますが、発達障害を持つ人は、それら機能の発達のアンバランスさが生まれつき顕著であるために、社会生活に困難があって生きづらさを抱えています。

発達障害はさまざまな脳の認知機能の発達のアンバランスさからくる障害の総称。その表れ方は人によってそれぞれ異なる<br> 出典/厚生労働省「発達障害の理解のために」を基に改編
発達障害はさまざまな脳の認知機能の発達のアンバランスさからくる障害の総称。その表れ方は人によってそれぞれ異なる
出典/厚生労働省「発達障害の理解のために」を基に改編