世の中の食いしん坊たちから熱烈な支持を集めるarikoさん。簡単だけど、凝って見える。斬新な組み合わせで、いつもの味に変化が起こるーー。そんなarikoさんのレシピとアイデアからの今の気分にぴったりな“おいしいおすそわけ”をお届けします。連載1回目は、arikoさんおすすめの新米の炊き方とそのお供について。白米の底知れぬ魅力を再発見する旅へ、どうぞご一緒に。

 はじめまして。今月から連載を始めさせていただくarikoと申します。本業は雑誌の編集をしていますが生まれながらの食いしん坊だということもあり、インスタグラムで手料理やお店で食べた料理、お取り寄せなどの食に関する事柄をポストしています。

 そうしているうちにレシピ本を出版する機会に恵まれ、今は雑誌作りと料理の仕事の二刀流な日々を過ごしております。今月から私なりのおいしいを皆さまにお届けするべく連載を始めさせていただきます。どうぞお付き合いくださいませ。

おすすめは「仁多米」と「ミルキークイーン」

 10月といえば新米の季節。農家の方々の努力と精米技術が進んで、いつ食べても炊きたての銀シャリ(白米)はおいしいなあとニンマリするのだが、ツヤピカに炊き上がった新米のなんとも言えない甘さとみずみずしさはやはり格別だと思う。

 季節の素材をふんだんに使った炊き込みご飯も魅力的だが、愛してやまないのはやっぱり白飯。口に含めばふんわりほどけ、かむほどに甘味が口中に広がる。炊きたてなら塩昆布でも明太子(めんたいこ)でも刻んでひと塩したかぶの葉っぱでも、しょっぱい味があれば一膳などあっという間だ。

 熱々はもちろん、塩を利かせた握り飯も時折無性に食べたくなる。好みの食感はやはりもちもち系。コシヒカリ系なら奥出雲地方で採れる仁多米を、ミルキークイーンはよく泊まりに行く湯河原の旅館「石葉」の朝食でそのおいしさに感動して自宅でも食べるようになった。

塩を利かせた握り飯
塩を利かせた握り飯