世の中の食いしん坊たちから熱烈な支持を集めるarikoさん。簡単だけど、凝って見える。斬新な組み合わせで、いつもの味に変化が起こる−−。そんなarikoさんのレシピとアイデアからの今の気分にぴったりな“おいしいおすそわけ”をお届けします。今回は、蒸し料理の本格アイテム「せいろ」について。実は蒸し料理以外の場面でも大活躍してくれるのだとか。arikoさん流せいろの活用術について教えてもらいました。

寒い日に温かさを与えてくれるせいろの湯気

 わが家には電子レンジがありません。と言っても特に主義主張があるわけではなく、単に狭いキッチンには後入れで設置するスペースがないというだけで……。

 あれば便利だなぁと思うこともありますが、今思えば実家でも電子レンジを使うのは冷凍したご飯を解凍するときとカップの牛乳を温めるときくらいだったなぁと。それに冷凍したご飯は電子レンジを使うよりも湯気の立つせいろで温めたほうが炊きたてのようにふんわりとしておいしいのです。

 時間は少し余計にかかるけれど、そのおいしさは段違い。お汁を作ったりしている間の10分程度で温まるので特に不便を感じません。せいろから湯気が上がっている様子は眺めているだけでなんだかホッとします。

 冬の寒い朝、まだ暖房が利いていない台所でせいろから上がる白い湯気。乾燥した空気に温かな湿気を与え、カサカサに乾いた素肌に水分を行き渡らせてくれるかのようです。モイスチャー効果っていうやつですね。ちょっと大げさかもしれませんが、自然の美容液みたいだと思っています。木製ならではのほんのり香るアロマも楽しめます。

せいろから上がるほかほかの白い湯気を眺めるだけでホッとする
せいろから上がるほかほかの白い湯気を眺めるだけでホッとする