世の中の食いしん坊たちから熱烈な支持を集めるarikoさん。簡単だけど、凝って見える。斬新な組み合わせで、いつもの味に変化が起こる−−。そんなarikoさんのレシピとアイデアからの今の気分にぴったりな“おいしいおすそわけ”をお届けします。今回紹介してもらうのは、寒い季節に心身を温めてくれる鍋料理。と言っても、よく見かける普通の鍋ではありません! ザーサイやピーナツバターを使ったバリエーション豊かな鍋レシピ、必見です。

ariko鍋の鉄則は、具材は少なく味付けに工夫

 2022年早々、東京の街は大雪警報が出るほどの雪が降り、凍った路面で車が立ち往生したり、滑って転んだ人が続出したりするほどの、近年でも一、二を争う厳しい寒さになりました。

 こうなるとやはり鍋料理が恋しくなります。材料を切って鍋に放り込むだけで手軽にできて、体の芯から温まる鍋料理はこの季節の救世主。

 簡単でおいしい鍋というと思い浮かぶのが豚しゃぶにミルフィーユ鍋、ピリ辛のキムチ鍋にあっさりとした湯豆腐などでしょうか。旬の白菜と豚バラの組み合わせはお財布にも優しく、味付け次第でさまざまな味が楽しめます。と言っても毎日同じようなラインアップではさすがにマンネリになってしまいます。

 簡単だからといってなんとなく同じような材料を、昆布を入れただしで煮込んでポン酢しょうゆで食べていませんか? せっかくおいしいのに家族から「また鍋?」と言われないように工夫をしたいもの。と言ってもどうすればいいのか。私は「鍋料理も一品料理」として考えるようにしています。そのためには材料をあれこれ使わず、主役と脇役に絞ってしまいます。

ピリ辛キムチ鍋には卵を落として
ピリ辛キムチ鍋には卵を落として

 例えば同じ豚しゃぶでも、合わせる具材をほうれん草の日、レタスの日、水菜とニラの日と分けて考えて、それによってベースになるだしも和風にしたり、鶏がらスープにしたりと具材との相性を考えて味付けをガラリと変えるようにしています。そうするだけでいつも同じ味から変化を楽しむことができます。

 そこで豚バラ肉のしゃぶしゃぶ用を使ってわが家で人気の白だし鍋をご紹介したいと思います。