ニュース番組などで日々目にする天気予報は身近な存在ですが、大規模な自然災害や急な天気の変化が頻繁に起こるようになった今、単に「あしたの天気」を知るだけではなく、気象への関心や知識をもう一歩深めることが重要になっています。気象が私たちの仕事や生活にどのように関わり、どんな情報をどんなリスクへの備えに役立てることができるのか。気象予報士の佐々木恭子さんが解説します。

(1)ビッグデータと併用で進化 気象情報は企業の利益に直結
(2)東京に近づく台風の数は20年間に5割増 命を守るには ←今回はココ
(3)空と雲の変化で観天望気 楽しく気象にアンテナを張ろう

台風の接近数が増加 大規模な気象災害も毎年のように

 「以前に比べると、台風が来ることが多くなった……」。そんなふうに感じたことはないでしょうか。実際、地球温暖化に伴う気候変動で、太平洋側の地域に接近する台風の数が増えていることが分かってきています。例えば東京では、1980年~99年の20年間と比べて、2000年~19年の20年間で約1.5倍になったとされています。

東京への台風の接近数はこの20年で約1.5倍に。荒木健太郎『すごすぎる天気の図鑑』(KADOKAWA)より
東京への台風の接近数はこの20年で約1.5倍に。荒木健太郎『すごすぎる天気の図鑑』(KADOKAWA)より

 台風以外にも、極端な大雨や猛暑の頻度も高くなっていますし、近年は毎年のように大規模な気象災害が発生しています。危険から身を守るためにも、普段から気象のことをよく知って、生活の中で天気と上手に付き合うことが大切です。

極端な大雨や猛暑の頻度が高くなっている。荒木健太郎著『すごすぎる天気の図鑑』(KADOKAWA)より
極端な大雨や猛暑の頻度が高くなっている。荒木健太郎著『すごすぎる天気の図鑑』(KADOKAWA)より

 天気予報は私たちの日常とは切っても切れない存在です。「傘を持って出掛けたほうがいいかな」「洗濯物は外に干せるかな」……。今回はそうした利用からもう一歩先へ進んで、命や生活を守るために使える、いろいろな情報を紹介します。

 これから紹介するのはどれも、気象庁のホームページにある、誰でも見られる情報です。一般向けに役立つ情報が本当にたくさんあるのですが、もったいないことにあまり知られていないので(笑)、気に入ったものを1つでも、ぜひ活用してほしいです(キャプチャー画面や閲覧手順はスマートフォン用のサイトで説明)。

1日の天気の変化を時系列で確認する

 天気予報で「予想最低気温」「予想最高気温」と聞くと、たぶんその日1日の中で一番高い気温と一番低い気温の予想をイメージしますよね。でも、気象庁が発表している天気予報はそうではないのです。

 気象庁の天気予報は1日3回、午前5時、11時、午後5時に発表されます。そして、最高気温は日中(午前9時~午後6時の間)、最低気温は朝(午前0時~9時の間)に出る気温を予想したものになっているのです。

 例えば、未明に気温の高いうちに降り出した雨が、日中になってから気温の低下で雪に変わり、その日の最低気温が日中に出ることもあります。でも、上記の予報の中にはこの気温は出てきません。

 そこで見てほしいのが、「地域時系列予報」です。地域ごとの気温の変化が時間の経過と共にグラフで表示されるので、その日の最低気温と最高気温がいつごろ出ると予想されるのかがひと目で分かります。

 また、「晴れ時々曇り」「晴れ一時雨」だけでは、いつ曇るのか、いつ雨が降るのかまでは分かりませんが、地域時系列予報では3時間ごとの天気も表示されるので、曇りやすい時間帯や、雨が降り出す時間帯の予想を確認することができます。

気象庁ホームページのトップ画面(<a href="https://www.jma.go.jp">https://www.jma.go.jp</a>)。まずはここで「天気」のカテゴリーを選択
気象庁ホームページのトップ画面(https://www.jma.go.jp)。まずはここで「天気」のカテゴリーを選択
上部にある「あなたの街の防災情報」をタップするとプルダウンメニューが表示されるので、「天気」→「地域時系列予報」をタップ
上部にある「あなたの街の防災情報」をタップするとプルダウンメニューが表示されるので、「天気」→「地域時系列予報」をタップ
こちらが「地域時系列予報」。天気や風、気温の予想の推移が分かる
こちらが「地域時系列予報」。天気や風、気温の予想の推移が分かる