女性の2人に1人は90歳まで生きる時代。更年期以降も豊かに生きるには、健康で自立していることが大切です。特に閉経後はフェムゾーン(腟と外陰部)に悩みを抱える人が増えてきます。女性医療クリニックLUNA理事長、関口由紀さんに更年期以降に起こる体の変化とそのケアや治療法について全3回で聞くこの連載。2回目はフェムゾーン(腟と外陰部)に表れるGSM(閉経関連尿路生殖器症候群)の兆候とセルフケアについてです。

(1)更年期以降こそエイジングケアで「女性を楽しむ時間」に
(2)フェムゾーンは第2の顔 見て分かる老化の兆候とは? ←今回はココ
(3)尿漏れを予防する骨盤底筋の鍛え方

鏡を使って自分で皮膚の状態をチェックする

編集部(以下、略) 更年期以降のQOLを上げるには下半身のケアが大切だということがよく分かりました。「腟(ちつ)と外陰部(フェムゾーン)は第2の顔」という言葉にドキッとしましたが、自分で関心を持つことが大切なのですね。

関口由紀さん(以下、関口) そうですね。顔は毎日、さまざまな化粧品を使って保湿するのにフェムゾーンの保湿はしたことがないという人が多いと思います。毎日、患者さんの診察をしていますが、自分のフェムゾーンを見たことがない人がほとんどです。

 GSM(閉経関連尿路生殖器症候群※)の症状の一つに陰部の乾燥やかゆみといった皮膚症状があります。性交のときに腟の乾燥で痛みを感じたり、外陰部の皮膚がシワシワになって表面がカサついたり。こうした痛みやかゆみといった自覚症状があった場合、本来は自分で見たり、触ったりできるのに、自分で確認する人は少ないのです。

 皮膚がどんな状態なのか、日常的にチェックしておくことで、顔と同様に変化にも気づきやすくなります。まず、鏡を使ってフェムゾーンを見る習慣を持ってほしいと思います。

※女性ホルモンの減少によって起こる生殖器や泌尿器の症状。尿漏れや性交痛、外陰部のかゆみなどがある
鏡で顔を見るように、ときには自分のフェムゾーンも皮膚の状態をチェックしてみよう
鏡で顔を見るように、ときには自分のフェムゾーンも皮膚の状態をチェックしてみよう

―― フェムゾーンはどういう点に注意して見ればいいのですか?