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ニュースの裏には…

なぜハローワークは今さら氷河期世代の支援を始めたの?

ハローワークに就職氷河期世代向けの支援窓口ができた。なぜ今ごろ? 本当に求人はある?


日々伝えられるニュースや宣伝情報。「あれ?」「どうして?」と、疑問や違和感を覚えることはありませんか? そんなARIA世代のひっかかりについて、違う角度からの意見を識者に聞いたりして、「なるほど!」をお届けします。今回は、就職氷河期世代を対象とする支援についてのお話です。

 ハローワークは2019年11月18日に、就職氷河期世代を対象にした「ミドル世代チャレンジコーナー(就職氷河期世代支援窓口)」を都内2カ所のハローワークに開設しました。就職氷河期世代は、常に辛い就業競争を強いられ、非正規社員のまま現在まで働いてきた人や、育児や介護で離職を余儀なくされた人が少なくありません。そのための支援が必要なのは理解できますが、なぜ今ごろになって? 本当に求人はあるの? 実際にハローワーク窓口で就職希望者にアドバイスをしている、東京労働局職業安定部職業安定課長の山口智也さんに聞きました。


 ハローワークというと多くの方が「失業したら行く場所」という認識をお持ちのようですが、そのほかにも、非正規雇用から正社員を目指す方の転職サポートや、家事や育児、介護などで離職した方の復職支援、時短労働の支援なども行っています。

 この12月に、国は13兆円に上る経済対策のための財政支出を決定しました。その一環として就職氷河期世代向けの支援に力を入れ始め、ハローワークとしても2020年度から予算に基づいた施策を始める予定です。ただし、今この瞬間にも就職希望者はいらっしゃるわけですから、一足先にハローワークでできることを考え、就職氷河期世代に向けて支援窓口を設置しPRを始めました。

10年以上前から就職氷河期世代を支援していた

 実は就職氷河期世代(2019年現在35歳~44歳)の就職支援は今に始まったことではなく、2008年から行ってます。2012年には正規雇用を目指す若い世代の就職支援を専門的に行う拠点として、東京・渋谷に「わかものハローワーク」を創設。現在は、都内3カ所、全国28カ所にわかものハローワークがあります。

 ですが、わかものハローワークも創設から7年たち、支援の対象となる世代には40代の人も多くなりました。「わかもの」と名がつく施設には来にくいだろうという理由から、新たに専用窓口「ミドル世代チャレンジコーナー」を東京・池袋と立川のハローワークに設置しました。対象となるのは、現在35歳~54歳で、非正規雇用の就業経験が多い方や就労期間の短い方などです。

2019年11月18日、就職氷河期世代支援窓口が、東京・池袋と立川のハローワーク内に設置された(写真はハローワーク池袋)
2019年11月18日、就職氷河期世代支援窓口が、東京・池袋と立川のハローワーク内に設置された(写真はハローワーク池袋)

特例として氷河期世代限定の求人が集まる

 この窓口に集まる求人は40代前後の人材を求めていることが前提ですので、効率よく就職活動できると思います。

 一般に、求人では年齢制限をしてはいけない決まりになっているため、企業が本当に採用したいと考えている年齢層は応募者からは分かりません。ところが、今回の「ミドル世代チャレンジコーナー」は就職氷河期世代の就業支援という国の政策と合致しており、特例として、就職氷河期世代に年齢を制限した求人が認められているのです。

「そうは言ってもやはり40代の就職は難しいんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、ここ数年は深刻な人手不足ということもあり、多様な経験のある40代前後を採用したい企業は、皆さんが思われているよりずっと多いのです。

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