ビジネスシーンにある暗黙のドレスコードとは…

 では、最後にそもそも責任ある立場の人のコーディネートはどうしたらいいのか、ビジネスシーンでも暗黙のドレスコードがある、という話をしましょう。

 日々のビジネスシーンには誰もドレスコードを決めてくれる人はいません。しかし、社会は装いから人を勝手に査定していると心すること。昭恵さんの装いの問題の一つに、洗練よりかわいさのような「趣味的なもの」が伝わり、知的に見えないと書きましたが、この指摘はビジネスシーンにも同じことが言えるのです。

 昭恵さんは決してファッションに疎いわけではなく、むしろアグレッシブです。それゆえにトレンドや趣味主張が先行し、ファーストレディーという立場が2番手になりがち。ビジネスシーンでもそれはいけません。自己満足より「外交力」が必要で、肩書に見合う身なりや立ち居振る舞いかどうかが基本なのです。

 世界に通用するビジネスパーソンの間では、装いはその人の「本質、教養、価値観、社会的ステータスを表す」と考えられていますから、まずは装いの基本をクリアする。その上で、何ができる人間なのか、あなたはどういう人間なのか、他の人とは違う「差」をコーディネートに出すことです。

 ただし、それは決して目立つのではなく、周囲とのバランスを考えた上で際立つことを目指しましょう。日々のビジネスシーンで鍛えられた装いのセンスは、いざというときの、公の場で醸し出す存在感に必ずや良い影響を与えるはずです。

文/政近準子