2021年3月に世界経済フォーラム(WEF)が発表したジェンダーギャップ指数の国別順位で、日本は156カ国中120位(前回121位)だった。中でも政治分野は147位(同144位)に沈み、女性議員は衆院でわずか1割、参院でも2割にとどまっている。この現状を打破すべく、超党派の女性議員による「クオータ制実現に向けての勉強会」が発足した。

まずは女性議員の比率を3分の1に

 21年5月12日、超党派の女性議員による「クオータ制実現に向けての勉強会」が発足し、第1回の会合が開かれた。参加を呼び掛けたジャーナリストの田原総一朗氏は、「21年のジェンダーギャップの順位は120位でした。恥ずかしい限りです。なんとしても菅義偉政権の時代にクオータ制の導入を実現し、まずは女性議員の比率を全体の3分の1にしないと世界に対しても恥ずかしい。そして近い将来には、女性議員を半分にしなければ。女性たちに頑張ってほしい」と話す。

「菅政権のうちにクオータ制を実現したい」(田原氏)。事務局長は長野智子氏が務める
「菅政権のうちにクオータ制を実現したい」(田原氏)。事務局長は長野智子氏が務める

 第1回の勉強会に参加したのは、野田聖子氏(自民党)、辻元清美氏(立憲民主党)、古屋範子氏(公明党)、石井苗子氏(日本維新の会)、畑野君枝氏(共産党)、矢田稚子氏(国民民主党)、福島瑞穂氏(社会民主党)。 

 野田氏は、「ちょうど今、東京オリンピック・パラリンピックのイシューが盛んに議論されています。日本の(関連団体の)代表者3人は全て女性(橋本聖子大会組織委員会会長、丸川珠代五輪相、小池百合子東京都知事)です。その評価がきっちり見えていませんが、いったん女性が(責任ある立場を)担えば、男性じゃないとできないと思われている仕事でも、そんなことはないんだ、女性でもできるんだと理解してもらえる。その一番の早道は、原始的な取り組みではありますが、クオータ制で『見える化』をすること。男女お互いがwin-winになれるような勉強会を仲間たちとやりたい」と意気込みを話す。

「『政治は男の仕事』と言われがち。その言葉への違和感を抱えながら28年間政治家をやっています」(野田氏)
「『政治は男の仕事』と言われがち。その言葉への違和感を抱えながら28年間政治家をやっています」(野田氏)

 辻元氏は「あらゆるところで最後に残る差別が男女差別」と指摘。「ジェンダーバランスの悪さを解消するために、まずは意思決定の場である議会で男女同数を目指していきたい。私の地元・大阪府三島郡島本町で4月に行われた町議会議員選挙で、議員数が男女同数になりました。地方議会では、やろうと思えば男女同数が達成できた。その積み重ねで国政も変えていきたい」と話した。