40年ぶりのCD発売、80年代シティポップが再び

―― 2021年は歌手デビュー40周年ということで、久しぶりに歌にも挑戦されたそうですね。アルバムもリリースするとか。

宮崎 そうなんです。実はこれまでに3枚のアルバムを出していまして。ファーストアルバム『Mellow』の制作担当の方が声をかけてくださって、80年代のシティポップが再びよみがえりました。松任谷由実さんをはじめ、八神純子さん、渡辺真知子さん、矢野顕子さん、坂本龍一さんなど、大御所の方々が楽曲提供してくださっているんです。

 デビュー当時に収録した時は歌うことだけに無我夢中。後から「すごい方たちが作ってくださったんだ!」と気づいて、びっくりしました。40年たった今も、皆さんスターとして輝いていて、本当に貴重な機会をもらっていたんだなと胸がいっぱいです。

―― 新曲も出すんですよね。

宮崎 はい。「ビオラ」という曲です。プロデューサーの方から、「ビオラをテーマに歌詞を書いてみませんか?」と依頼されて、僭越(せんえつ)ながら作詞も担当させてもらいました。

 ビオラって楽器のことだと思っていたら、それだけじゃなくて、お花のビオラの意味も込められていたようで。ビオラはパンジーよりも小ぶりで、よく街中の花壇にも植えられているようなポピュラーな花なんですね。「自分が、自分が」と前に出るような目立つ花ではないけれど、そっと脇に居て皆を和ませてくれる。そんな姿が私のイメージに合うと言ってくださって、一気に親近感が湧きました。

 歌詞にどんな気持ちを込めたかというと……。ビオラのようにただそこに居て、自分の何気ない独り言や悩み事も黙って寄り添って聴いてくれる。そういう人がそばに居てくれたら、きっと心も元気になってまた歩き出せるよね、というような思いをしたためました。