女性に愛されたい! トイレにこだわり

―― 劇場内の女性用トイレには区長のタカラヅカ観劇経験を生かしたこだわりがあるそうですね。

高野 劇場内に42室、劇場の2階とつながる「としま区民センター」に35室、合計77室の女性用トイレを作りました。結果的に区民センターの2階、3階はフロアの大半がトイレです。最初、その指示を出した時は、職員、関係者とも「池袋駅前の最高立地に、こんなに多数のトイレを作るなんてありえない」と。しかし、タカラヅカの観劇経験から、女性に愛される劇場になるためには譲れない点でした。

小川 宝塚大劇場(宝塚市)、東京宝塚劇場(東京都千代田区)でも、女性用トイレの充実は最優先事項の1つです。区長は観劇時にも、ウオッチを欠かさないのですね。

高野 やはり決定的だったのは2014年に豊島区が「消滅可能性都市」と名指しされたことでした。私が大好きな地元、頑張って財政再建を果たした豊島区がどうして消滅するのか? と、一時はひどく落ち込みました。その時に、女性に好かれる街にならねば生き残っていけない、と方向性を強く決意したのです。

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取材・文/清野由美 写真/太田未来子