「タカラヅカ仕様」に設計図を引き直す
高野 実際、タカラヅカを上演するためには、設備面の整備が課題でした。通常、劇場の楽屋口は4トントラックが出入りする大きさを想定して設計しますが、タカラヅカを上演するには11トントラック、それも2台同時の搬入口が必要だ、と伺いました。
小川 タカラヅカは装置も大がかりなので、そこはどうしても必要になってしまうんです。
高野 新時代の劇場として、どの客席からも舞台がよく見えるようにすること、さらに災害時に安全なことを大前提にしていましたが、タカラヅカを上演するとなると、楽屋の数、廊下の幅、エレベーターの大きさ、そして動線と、すべて設計図を引き直さねばなりませんでした。出演者の数も多いですし、衣装も小道具もすべて大がかりで豪華ですからね。歌劇団からもたくさんアドバイスをいただきました。
小川 みなさんの熱意には、私たちも頭が下がりました。
高野 でも、劇場をここまで整備すると、歌舞伎、ミュージカル、バレエと、あらゆる舞台に対応できるのです。ですから、こちらこそ感謝しています。