休業補償の実現に向けてまだ走る

 「『文化芸術活動の継続支援事業』による補助金は現在(2020年12月時点)で、第4次募集まできています。私のところにも感謝の手紙やメールが届いていますから、補助金によって助かっている人が増えたことを実感します。ただ、依然として、公演が中止になった際の休業補償が含まれないのが問題なんです。休業補償の実現に向けて、これからも文化芸術復興基金の創立を求め続けます

 演劇の灯を絶やさないため、自ら先頭に立って動く渡辺さん。この力強い行動力はコロナ禍に限ったことではない。東日本大震災が起きたときなど、かなり前からさまざまな社会的な活動を行っているという。

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渡辺えり 弱者が生きやすい社会をつくるのも演劇の役割

『喜劇 お染与太郎珍道中』(出演:渡辺えり、八嶋智人ほか)
『喜劇 お染与太郎珍道中』(出演:渡辺えり、八嶋智人ほか)

取材・文/茅島奈緒深 構成/市川礼子 写真/洞澤佐智子 スタイリスト/矢野恵美子 ヘアメイク/藤原羊二 (アクセサリー/アビステ)

渡辺えり
劇作家、演出家、女優
渡辺えり わたなべ・えり/山形県出身。1978年から劇団3○○(さんじゅうまる)を20年間主宰。作・演出・出演の3役を担い、現在は「オフィス3○○」を母体に演劇活動を展開。ドラマ、映画、音楽活動などそのジャンルは多岐に渡る。また、2018年より日本劇作家協会会長も務める。八嶋智人ともに主演を務める『喜劇 お染与太郎珍道中』が2021年2月1日~17日まで、東京・新橋演舞場で、2月21日~27日まで京都・南座で上演予定。