尽きることのない闘いも覚悟

 このように、アルゼンチンでは離婚がむしろプラスに働くと感じることが多くありますが、もちろん良いことばかりではありません。全てのケースが円満離婚となるわけではなく、また養育費や子どもと過ごす時間についてなど、元夫婦間でもめる要素はいくつもあります。

 これは子どもが成人になるまで続く「尽きることのない闘い」であり、弁護士を挟んでの交渉に多額の費用がかかるなど、経済的にも精神的にも重くのしかかる課題が待ち受けるかもしれないことを、離婚前に覚悟しておく必要はあります。

 それでも、女同士が集まれば必ず離婚ネタで盛り上がり、苦い経験も笑い飛ばしてしまうところにまた、アルゼンチン女性の強さを見る気がするのです。

*1 参照:La Nacion 2018年12月18日

取材・文・写真/山本夏子