世界各国に住むライターが、現地に暮らすARIA世代の女性にインタビューをし、その国・地域ならではのキャリア設計、家族の形、趣味やトレンドなどを紹介する連載。香港では、多くの女性が生涯職業を持って働くそうです。ライターのりんみゆきさんが、キャリアアップを目指して大胆な決意をした、2人の香港女性の経験について伝えてくれます。

 香港の女性の多くは独身か、既婚か、子どもの有無に関係なく、生涯仕事を持ち続けます。今回紹介する2人の40代の女性たちは航空業界で働いた後、さらに向上心を持ち、全く違う分野の職種に転職しました。2人とも仕事について情熱的に語り、表情が生き生きとしています。常に自分の感情に素直に向き合い、好きなことを選択して生きているからなのでしょう。

たまたま受かったキャビンアテンダントの面接

 サブリナさんは大学卒業後、香港の一等地にあるレンタルオフィスの会社に入社しました。給料や福利厚生もよく、いろんな国出身の同僚がいるグローバルな雰囲気が気に入っていました。

 ある日、航空会社のキャビンアテンダントの面接を受けるルームメイトに、一緒について来てほしいとお願いされ、付き添うことになりました。誰でも受けられる面接だったので、どうせ来ていることだし、という軽い気持ちで、試しに受けてみると、後日合格の連絡が!

 「受けるつもりがなくて行ったから全然緊張もしていなくて、面接はリラックスしておしゃべりをした感じ。飾ることなくありのままの自分を出せたのが受かった理由かも」とサブリナさん。

 多くの人が憧れるキャビンアテンダントという職業、新しい可能性を感じて入社することに。2~3年やってみようと思っていましたが、あるフライト中、機内で心臓発作を起こした乗客を、穏やかに手際よく対応するフライトパーサーを見て、仕事に対する気持ちが変わったそうです。

 機内でミールやドリンクを運ぶだけが仕事ではない、非常事態にどう対応するかを問われる重要な仕事。入社4年目にはフライトパーサーという責任のあるポジションに昇格し、仕事に対する満足度も上がりました。

キャビンアテンダントとしてやりがいを持って働いていたサブリナさん(写真提供/サブリナさん)
キャビンアテンダントとしてやりがいを持って働いていたサブリナさん(写真提供/サブリナさん)