世界各国に住むライターが、現地に暮らすARIA世代の女性にインタビューをし、その国・地域ならではのキャリア設計、家族の形、趣味やトレンドなどを紹介する連載。今回はライターの岩田デノーラ砂和子さんが、全面ロックダウンの下で働くイタリア人女性たちの日々に迫ります。

 2020年に入り、世界が混乱の渦に巻き込まれている新型コロナウイルスのパンデミック。欧州の中でも最も早く感染が広がり始めたイタリアでは、3月12日から全国でロックダウンが実施されています。(2020年5月1日現在)

 仕事は外出自粛要請中の日本同様、テレワークが基本。暮らしの変化や工夫していることなど、ロックダウンされた街で働くイタリア女性たちに聞いてみました。イタリアの封鎖への道のりと合わせて、リアルな声をご紹介します。

民主国家初の全国封鎖への道のり

 イタリアと未知のウイルスとの本格的な闘いは、2月20日、ミラノの近郊の小さな街で、感染経路不明者が1名出現したところから始まりました。膨大な検査により感染の広がりが確認された街と近郊都市は、2月23日に封鎖されましたが、イタリア経済の中心地ミラノは、経済活動を継続。

 感染の抑え込みが効かないまま、政争もあり、封鎖に踏み切れずにいた2週間。事態がさらに深刻化した3月8日に、ようやくミラノを州都とするロンバルディア州全域と周辺都市14県の封鎖が決定されました。次いで、3月12日。封鎖エリアからイタリア各地へのウイルス拡散防止のため、全国封鎖措置条例が発令。全土ロックダウンとなったのです。

 全土ロックダウンは民主国家では初となる試みではあるものの、すでに北イタリアでの感染が拡大していたこと、「経済より国民の命を優先する」としたコンテ首相の度重なる名演説のおかげで封鎖時には混乱もなく、国民が一丸となって闘っていこうとするムードに覆われたのが、とても印象的でした。

スーパーの前で並ぶ人々、しっかり間隔を保って待っています
スーパーの前で並ぶ人々、しっかり間隔を保って待っています