たぬかな　23歳で退社しプロゲーマーになった「覚悟」

プロゲーマーの地位を上げて人を増やしたい

　たぬかなさんは、自分に憧れてゲームを始めてくれた人が出てきていることがすごく嬉しいそうです。「テレビで見たんですけど、子どもが将来なりたい職業の1位がYouTuberで、2位がプロゲーマーだったんです。ただゲームが好きというだけではなく、プロ養成校に通うなど、プロへのステップアップを目指す人が増えています。以前は胡散臭いと言われていたプロゲーマーへの見方が変わってきているんですね」

　普段から全世代に受け入れられるように、奇抜なヘアスタイルや服装をすることは避けているというたぬかなさんは、自分がメディアに出ることで競技者が増えていき、プロゲーマーの社会的地位が向上することを目標にしています。

　「もしゲーム好きで部屋に引きこもっているお子さんをお持ちの方がいたら、ゲームばかりしてると責めないであげてほしいです。コミュニケーションが下手でも、ゲームに真面目に打ち込めば仕事になる可能性があるんです。実際に、学校に通えなくなって親もあきらめていたような子がプロゲーマーとして仕事をしています。ゲーム好きな子にプロゲーマーという道も示してあげてほしい」と、子育て中の親へのメッセージもいただきました。

　ここで少し、女性としての今後についても聞いてみました。「お母さんと同じ28歳で結婚する予定だった」と笑いながら話すたぬかなさんは、プロゲーマーを続けたまま、結婚や出産をするのは難しいと言います。「中途半端になることがいやなので、もし結婚することがあったら引退します。育児しながらゲームのことを考えてしまって、子どもとゲームを秤にかけるようなことはしたくないんです」

　すべてに全力投球のたぬかなさんは、今はゲーム道をまい進することに集中したいのでしょう。たぬかなさんのゲームプレイに興味がある方は、CYCLOPS athlete gamingのYouTubeチャンネルで週一回定例配信を行っていますのでご覧ください。

取材・文／鈴木朋子　撮影／水野浩志

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