日本で働き、オーストラリアで家族と過ごす「往復生活」をしている小島慶子さん。子育ても終盤にさしかかり、「これまでとは違う新たな一歩」を踏み出しつつある小島さんの、新たな気付きや挑戦を語っていきます。今回のARIAな一歩は、「女友達」。

エッセーを読んで四半世紀ぶりに連絡をくれた友人

 前回のエッセーを読んで、何人かの友人が連絡をくれた。「40代後半になって、自分の人生を生きるってことをもっと大事に考えてもいいと思うようになった」という点に共感して、感想を送ってくれたのだ。

 ある友人は、出張先の東欧からメッセージをくれた。30代でNPOを立ち上げて以来、人助けの仕事一筋で、一年じゅう国内外を飛び回っている。でもこのごろふと、結婚して家族を持つのもいいかなと思うようになったという。30歳で出産して、子どもたちをどうやって育て上げようかと考え続けてきた私とは対照的だ。でもどちらも「今は自分よりも他者」という心持ちでずっと緊張状態にあったことは共通しているかもしれない。

 50歳を目前にした今、これまで取り組んできたことの一区切りが見えてきて、この先の人生を改めて考えるようになったのは彼も私も同じだ。忙しくてめったに会えないけれど、互いの苦労は10年以上も見てきている。折に触れエールを送り合ってきた友人と、そんな心境をシェアできたのはしみじみうれしかった。

 四半世紀ぶりに連絡をくれた友人もいる。もう20年もアメリカで暮らしており、私と同様、仕事の都合で日本との往復生活をしているという。ためたマイレージでアップグレードする喜びや子どもたちのために頑張る心境など、共感したよとメッセージをくれた。彼はアメリカの大学で仏教の学びを究めて、今では名門大で教べんを執るグローバルアカデミア住職として活躍している。学生時代の姿からは全く想像がつかない。20代で悩み、挑戦し、30代でいろんな苦労をして、みんな無我夢中で走ってきたんだよな。前回書いたバルセロナの女友達に続いて、北半球にまた1人出稼ぎ仲間が見つかって、とても心強い。

船乗りの友人が送ってくれた朝焼けの写真。360度水平線の中を旅する生活。海はいくら見ても飽きないそうです
船乗りの友人が送ってくれた朝焼けの写真。360度水平線の中を旅する生活。海はいくら見ても飽きないそうです