日本で働き、オーストラリアで家族と過ごす「往復生活」をしている小島慶子さん。子育ても終盤にさしかかり、「これまでとは違う新たな一歩」を踏み出しつつある小島さんが、新たな気付きや挑戦を語っていきます。今回のARIAな一歩は、「年下の男」。

 もしも今、告白されるなら、どんな人に「好きです」と言われたい? ARIA世代の女性には、現役で恋愛中の人もいるだろう。大人の女性の理想の恋人って、どんな人だろうか。

 53歳、求職中、夫の浮気が理由で離婚。そんな独身女性が、30歳の元部下から告白される。今、NHK BSプレミアムで再放送中のドラマ「定年女子」の話だ。

 もうすぐ孫が生まれようという年なのに、23歳も年下の男性と付き合うなんて!と戸惑う彼女に、友人は「フランスのマクロン大統領の妻は25歳も年上よ」「普通じゃないから面白いのよ」と交際を勧める。元部下は至って真剣で、年齢なんか全く気にしないという。「仕事のできるあなたへの敬意が、いつしか恋に変わった」と。恋!と彼女はつぶやく。そしてデートを重ねるように……。

 最初に放送されたのは2017年だが、私は今回、初めて見た。大企業の部長としてバリバリ働いていた主人公が役職定年を迎え、社内の閑職に異動となる。会社を辞め、ハローワーク通いで見つけた葬儀会社に就職するもまた退職、今度はハローワークの職員に……という彼女のキャリアの変遷とバイタリティーに引き込まれて見始めたのだけど、ドラマには必ず色恋が絡むので、そっちの文脈で見ている人も多い。Twitterのハッシュタグ「#定年女子」には、たくさんのときめきコメントが並んでいる。みんな、本当に恋愛の話が好きなんだな!

「年下からの真っすぐな好意」に沸き立つタイムライン

 主人公を演じているのは南果歩さんなので、めちゃくちゃすてきな53歳だ。30歳の元部下は、町田啓太さん。こちらも尋常でなく容姿が整っている。美男美女の元上司と部下。23歳の年齢差をものともせず、真っすぐに好意を寄せる男性……という設定にタイムラインはキュンキュン沸き立っている。

 一方、主人公の友人で、妻を亡くしたばかりの58歳の男性も登場する。仕事人間でお金に余裕があり、付き合う女性は娘より年下でなければ、若い分には何歳でもいいという。主人公の別れた夫もやはり50代で、13歳年下の恋人がいるらしい。まあこの人たちはいわゆる、“おっさん”的な男として描かれているわけだ。50代男性がうんと年下の女性と付き合ったり再婚したりする話を聞いても、まあ男って分かりやすいよねというぐらいの感想しかない。そんな彼らとの対比で、元部下の30歳男性はいっそうキラキラして見えるのだろう。

 私はこのドラマの結末を知らないので、あと3回、エンディングまで楽しく見ようと思う。介護とかいろんなテーマも絡んでくるらしい。まあでも、ちょっとこの設定にはいろいろ考えるところがあった。