発端は、16年前の産後クライシス

 何のためにそんなことをしたのかというと、私が法的に彼の妻であることに耐えられなくなったからである。そもそもの原因は長男を産んだ後の産後クライシス。もう16年くらい前のことになる。このときに夫のとった行動が私の価値観に照らしてどうしても、何をどう頑張ってみても許すことができないのだ。どこの夫婦にもそういう事案はあると思うが、他人が見て妥当かどうかを判断できるものではない。他人事だと思えば「完璧な人間なんていない」「自分だって聖人じゃないでしょ」「昔のことなんだから許してあげなよ」などと言えようが、わがこととなるとそんなこと言ってられないだろう。夫婦の間のいろいろは、幾つもの文脈が絡み合い、それぞれの人生のストーリーに遡って語らねばならないような根深い問題なのである。

 離婚するなら16年前にしておけばよかったじゃないかというご意見もあろうが、もちろん離婚届を突き付けましたとも。だけど夫はどうしても別れたくないと言うし(どの口が言う)、そんなのは捨て置くとしても、私自身が生まれたばかりの子どもを抱えてシングルマザーになる勇気がなかった。息子の利益を考えたらこのまま夫婦を続けるのがいいと判断して、すべてをなかったことにするべく尽力した。初めての育児で不安だらけで、かねて抱えていた実家との問題の蓋が開いてしまってカウンセリングに通っており、心身共にギリギリの状態のところへ夫にトドメを刺されて、ついに不安障害という精神疾患を発症した。でも「これでいいんだ」と自分に言い聞かせるうちに「病気になった私を黙って見守ってくれる夫は仏様のような人だ」と思うようになった。人は苦境を認知のゆがみで生き延びるのである

年末に思いの丈をARIAでつづり、お正月は一家4人でタスマニア旅行へ。ここはタスマニア州の州都ホバートから車で1時間半くらいのところにあるラッセル・フォールズ。巨大なシダが太古の森を思わせます。心の滝行と森林浴でリフレッシュしました!
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