40~50代で感じる、仕事のマンネリ化やそれに伴う自己成長感の低下。この「キャリアの停滞」を抱えたまま、仕事人生の後半戦を生きるのか。それとも、「まだ半分もある」仕事人生で、成長できる自分に変わるのか。4700人の会社員を対象に調査分析を行った法政大学大学院政策創造研究科教授・石山恒貴さんとパーソル総合研究所主任研究員・小林祐児さんと考えます。

石山恒貴さん(以下、敬称略) 仕事人生の後半戦を走り切る「自走力」を支える5つの行動特性「PEDAL(ペダル)」(1)まずやってみる(Proactive)、(2)仕事を意味付ける(Explore)、(3)年下とうまくやっていける(Diversity)、(4)居場所をつくる(Associate)、(5)学びを活かす(Learn)をどう高めて行けばいいのか。最終回となる今回は、(5)学びを活かす(Learn)について考えてみたいと思います。

職場での学びが無くなると成長が止まる

小林祐児さん(以下、敬称略) 仕事人生を20年、30年と重ねてくると、日々の仕事をこなしていく上で、新たな学びの必要性を感じることは少なくなっていきます。また、長期的に同じ仕事を続けてきてマンネリ化している場合、仕事から得られる学びもほとんどありません。学ぶ必要性を感じることなく、職場での学びも無い状態が続けば、当然ながら成長を感じられず、「キャリアの停滞感」につながっていきます。「何歳になっても学び続ける姿勢を持つことが大切」、といってしまえばその通りなのですが、自走力を高めるためにはどのように学び、それを活かしていけばいいのでしょうか。

 「学び」といえば、学校やセミナーに通ったり、研修を受講したりすることを思い浮かべる方も多いかと思いますが、教室で教えられることだけが「学び」ではありません。働く人は仕事を通して多くのことを学んでいます。営業の仕事で、「お客様の前できちんと商品説明ができなかった」といった経験があれば、「あの時、どうすればよかったのかな」と振り返り、「次はきちんと商品説明できるよう準備をしっかりしよう」と改善策を考え、実際にやってみる、といった行動を繰り返していくことで学びます。働く人の学びにおいては、実際に仕事を経験し、その経験を振り返ることによって学ぶ「経験学習」の側面が大きいものです。

「学び」の場は学校だけではありません